残業を減らす!Officeテクニック
「ChatGPT」の新機能「Code Interpreter」にExcelの面倒な計算を処理してもらった
XLSXファイルを直接アップロードして処理、結果もXLSXファイルでダウンロード可能
2023年7月31日 06:55
ChatGPTの有料プラン「ChatGPT Plus」のユーザー向けに「Code Interpreter」(コード・インタープリター)の機能が提供開始されました。CSVやExcelなどのファイルをアップロードして、データ分析や加工、グラフの作成などの処理が可能です。また、生成したデータをダウンロードすることもできます。
有料プラン限定の機能ですが、驚異的な性能と話題になっており、今回は簡単なExcelファイルで、どれくらいすごいのかを試してみました。
内部的にはPythonのコードが実行される仕組みです。ユーザーはコードの内容について言及する必要はなく、「このデータを分析して」「表からグラフを作成して」などと、ざっくり指示すれば、ChatGPTが自動的に処理してくれます。
「Code Interpreter」を利用するには、画面左下のユーザー名から[Settings & Beta]を選択。[Settings]-[Beta features]画面にある[Code Interpreter]のスイッチをONにするだけです。
Excelで面倒な処理は?
数式の生成や分析は、無料プランのChatGPTでも可能なので、Excelで面倒な処理を考えてみました。以下の表は、商品ごとに前年の販売数、売上、利益をまとめています。例えば、過去のデータを参考に利益を20%増にしたい場合、各製品の販売数はいくつでしょう?
この表は単純なので、20%増しの利益額を求めてから逆算してもいいですが、ゴールシークの機能を使うことが多いです。試しに「商品A」を処理してみます。
計算結果をセルに入力できるのは便利ですが、あらかじめ目標値を計算しておく必要がありますし、複数のセルをまとめて計算できないのも弱点です。この処理を「Code Interpreter」に肩代わりしてもらいましょう。
「Code Interpreter」で表を分析
分析といっても特別な操作は必要ありません。ファイルをドラッグして「分析して」を指示するだけです。表の内容はわかっていますが、Code Interpreterが正しく認識できるのか確認してみます。
Pythonのコードが実行されて、Excelの表の内容が展開されていますね。課題「利益を20%増しにする時の販売数」を問い合わせてみます。結果はExcelファイルとしてダウンロード可能です。
なお、アップロードしたファイルとCode Interpreterで生成したファイルは一定時間が経過すると消去されます。同じファイルを扱いたい時は再度、アップロードや生成が必要です。また、本稿執筆時点でチャットは3時間に50回までの制限があります。
元のExcelの数式は残らない
ダウンロードしたファイルを開いて、計算結果が正しいのか、Excelのゴールシークで求めた結果と比べてみます。なお、Pythonで処理されるため、元のExcelの数式は残りません。
計算結果は正しいようです。処理内容とExcelの数式を問い合わせてみます。
今回のようなケースでは、Code Interpreterの結果から数値をコピペするか、結果だけのファイルを生成してもらうと話が早いですね。しかし、Excelで面倒な操作を自動で処理してくれるのは助かります。
なお、指示だけでファイルを生成することも可能です。指定した列名での表や、複数のワークシートを含むExcelファイルなども作成できます。
Excelファイルをアップロードできるので、既存の表を改善するヒントを教えてもらったり、複雑な数式を作成する時のサポートも期待できます。「ChatGPT Plus」をお使いなら、ぜひ試してみてください。