やじうまの杜
最新Excel×ChatGPTで“あのイルカ”を再現することに成功した人がいるらしい ~「カイルくんGPT」を試してみた
感動の再会も束の間、「お前を消す方法」にはどう答えた?
2023年5月29日 06:55
マイクロソフトが発売しているオフィススイート「Microsoft Office」の過去バージョンには「カイルくん」というイルカのマスコットがいました。調べてみると、初めて登場したのは1997年に発売された「Office 97」でした。その後も何世代にわたって搭載されていましたが、ひっそりと姿を消すことになり、いまの最新Officeではその存在を見ることはできません。
カイルくんは、Office利用者をサポートするためのマスコットキャラクターで、Officeに関する質問に答えてくれるという機能を持っていました。一方で、あまりちゃんとした回答を返してくれず、書籍を読んだり、なんなら自分でヘルプを見た方が速く正確な情報を得られることも少なくありませんでした。そのため、個人的にはあまり活用した記憶はなく、ぼんやりと「イルカのマスコットがいたなぁ」という程度の印象しかありませんでした。
ですが健気に「何について調べますか?」と聞いてくれるカイルくんに「お前を消す方法」と入力したユーザーが現れると、そのスクリーンショットは瞬く間にインターネット上に拡散され、カイルくんが存在しない今でもインターネットミームの1つとして、時々SNSなどでも話題になります。
そんなカイルくんをExcelのマクロと「ChatGPT」を使って再現するファイルを、「ChatGPT3.5をExcelワークシート関数として使用する」方法でお馴染みの「VBAで実用マクロ」さんが公開しました。
導入方法は簡単で、ブログページからファイルをダウンロード。同梱されているファイルにOpen AIで発行した「ChatGPT」のAPIキーを書いて、ワークブックを開けばOKです。
「カイル君GPT、Officeアシスタントを最新Excelで再現する」紹介ページはこちら
環境によってはマクロの実行がOS側で禁止されている場合があります。私も同じ状況でしたが、XLSMファイルの右クリックメニューの[プロパティ]からチェックを入れれば、問題なくマクロは動作しました。
というわけで、説明に従ってセルをダブルクリックします。どのセルでも大丈夫ですが、ダブルクリックした場所を基準にカイルくんが登場するので、あの時を再現するのであれば右下の方のセルをダブルクリックするのがおすすめです。
それでは小手調べに「特定の文字列を含むセルの色を変える方法を教えてください」と聞いてみます。
入力すると「ChatGPT」に問い合わせにいき、条件付き書式を使う方法についての結果が返ってきます。このくらいの質問であればかなり精度が高い回答が返ってきますね。Excelに関するちょっとしたことを調べる場合は、Webで検索するよりも素早く答えに辿り着けそうです。
また、Wordに関する質問で「行間を調整する方法を教えてください」と聞いてみました。こちらも問題なく回答してくれます。
次は、試しにOfficeに関係のない質問を聞いてみます。ちゃんと答えを返してくれるあたりツンデレ感を感じますね。
そしていよいよ禁断のあの質問です。「お前を消す方法」と入力してみます。いやがりつつも消す方法を教えてくれました。かなり精度の高い答えを返してくれる印象です。
最新のAI技術を使って再現されたカイルくん、Office作業の心強い味方になってくれるのは間違いないでしょう。できれば禁断の質問を繰り返していじめるのはやめてあげてくださいね。