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Excelの機能や関数では難しい文字列処理をCopilotに依頼するプロンプトのコツ

氏名から姓を取り出してローマ字に変換、さらにメールアドレスに利用する方法

Excelの機能や関数では難しい文字列処理をCopilotに依頼する

 文字列の分割や結合などの処理を考えた場合、Excelの機能や関数を利用することが多いですよね。例えば、以下の表にある[氏名]列から姓を取り出して、ローマ字表記に直すことを考えてみましょう。

 関数を使っても構いませんが、ここではフラッシュフィルの機能([Ctrl]+[E])を使います。取り出した姓をローマ字表記に直すには[翻訳]機能を利用するのが定番です。

[氏名]列から姓を取り出す場合は、最初の1,2行をサンプルとして入力しておき、[Ctrl]+[E]キーを押す
[氏名]列から姓が取り出せた
取り出した[姓]の列を選択して[校閲]タブの[翻訳]をクリックすると、[翻訳ツール]が表示される
翻訳先の言語として英語を選択すると、ローマ字表記(?)になる

 ローマ字表記のような感じにはなりましたが、一部おかしいですね。PHONETIC関数でふりがなを取り出してから翻訳すると精度は上がりますが、完璧ではありません。いろいろ操作するくらいなら、ローマ字を手入力したくなります。

 このようなひと手間かかる文字列処理こそ、Copilotに依頼するのが正解です。なるべく具体的に端的に指示しましょう。

氏名から姓を取り出してローマ字表記に直す

 先ほどと同じように、氏名から姓を取り出してローマ字表記に直す処理をCopilotに依頼します。ややこしい操作は一切不要。以下のようなプロンプトを記述するだけです。なお、「○列に追加して」といった文言を省略すると、操作方法を提示されるだけで終わることがあるので、やりたいこと明確にしておきます。

B列の氏名から姓を取り出して、ローマ字表記に直したうえでD列に追加してください
上記のプロンプトを入力した。SWITCH関数でローマ字に置き換えている。[列の挿入]をクリックする
[氏名]列からローマ字表記の姓を取り出せた

メールアドレスの形式に整える

 取り出した姓を元にメールアドレスの形式に整えてみます。ここでは、サンプルとして「@example.jp」というドメイン名を追加してみます。取り出した姓のローマ字表記は頭文字が大文字になっていますが、うまく整えてくれるでしょうか?

D列に取り出したローマ字表記の姓をメールアドレスの形式に整えてください。ドメイン名は「@example.jp」です
上記のプロンプトを入力した。LOWER関数で小文字に変換したうえでドメイン名(@example.jp)を連結していることがわかる。[列の挿入]をクリックする
メールアドレスの形式に整えられた

 ここまでの操作では、同姓の人はメールアドレスが重複してしまいますが、Copilotへの頼み方を工夫してみてください。同じ要領で“名”も取り出せます。同姓のアカウント名は「ikeda-t」「ikeda-s」などと区別しているのではないでしょうか。頭文字を取り出してハイフンで連結する操作は関数でも簡単ですよね。

1ステップずつ指示する

 これまでの操作を一気に依頼できないかと思って試してみました。プロンプトは以下の通りです。

B列の氏名から姓を取り出してローマ字表記に直したうえで、メールアドレスの形式に整えてください。ドメイン名は「@example.jp」です
上記のプロンプトを入力した。独自関数も組み合わせて処理している様子
ドメイン名は追加されたが、頭文字は大文字のままだった

 上記の例で、うまく処理できているように見えますが、姓の頭文字は大文字のまま。LOWER関数で処理すれば、回避できる問題ですが、場合によって処理できないというメッセージが表示されることもありました。現段階では、Copilotへの指示は短く、1ステップずつ処理するのが無難でしょう。