いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】英字は全・半角だけでなく大文字・小文字も関数で統一したい!

英数字の表記揺れは関数で処理しましょう

半角・全角文字に加えて大文字・小文字も関数で統一

 エクセルの表にデータを手入力した時の“表記揺れ”に悩まされることがありますよね。例えば、複数人で手分けして作業した表ではありがちです。特に、英数字の半角と全角の混在はイライラします。また、正しい表記ではなく、すべて大文字や小文字になっていることもあるでしょう。

半角文字と全角文字、大文字と小文字が混在している表記揺れの例

 半角と全角を統一する関数「ASC」、「JIS」と、大文字と小文字を統一する関数「UPPER」、「LOWER」、「PROPER」をまとめておさらいしておきましょう。データの揺れは、集計や検索で不具合の原因になります。いずれも基本的な関数ですが、効率アップに欠かせません。

半角統一はASC、全角統一はJIS

 ASC関数は全角文字を半角文字に、JIS関数は半角文字を全角文字に変換します。数字、英字、スペース、カタカナが変換の対象です。記号は対応するものがある場合、例えば半角の「¥」と全角の「¥」は対象です。全角文字の漢字やひらがなはそのままです。

ASC関数の構文。引数は[文字列]のみ、セル参照することも可能
JIS関数の構文。引数は[文字列]のみ、セル参照することも可能

 引数は[文字列]の1つのみです。セル参照で利用することが多いでしょう。使い方は2つとも同じなので、ここではASC関数を使ってみます。

セルB2に「=ASC(A2)」と入力します(①)
数式をオートフィルでコピーしました(②)

半角カタカナを全角に戻す

 上記の操作で英数字は半角になりましたが、カタカナも半角になってしまいましたね。この問題を回避しましょう。ASC関数の結果をいったん“値”として貼り付けて、ふりがなを取り出すPHONETIC関数で参照します。「=PHONETIC(ASC(A2))」のように記述すればいいように思えますが、NGです。PHONETIC関数はセルに入力されたデータのふりがなを取り出す関数なのでネストできません。

 既存のデータを参照する場合、元のデータが更新されると、ASC関数のほか、JIS関数やUPPER / LOWER / PROPER関数の結果は変わります。“値”として貼り付ける方法は覚えておきましょう。

ASC関数の結果をコピーして(③)、任意のセルを右クリックして(④)、[値](⑤)を選択します
ASC関数の結果が値として貼り付けられました(⑥)
セルD2に「=PHONETIC(C2)」と入力します(⑦)
数式をコピーすると、カタカナが全角に戻りました(⑧)

大文字(UPPER)、小文字(LOWER)、頭文字だけ大文字(PROPER)はセットで覚える

 UPPER / LOWER / PROPER関数は、機能が関数名そのままなので覚えやすいと思います。全角文字と半角文字の判別はしません。半角文字と全角文字の統一は、前述のASC / JIS関数を利用しましょう。

UPPER関数の構文。引数は[文字列]のみ、セル参照することも可能
LOWER関数の構文。引数は[文字列]のみ、セル参照することも可能
PROPER関数の構文。引数は[文字列]のみ、セル参照することも可能

 いずれも引数は[文字列]のみです。なお、PROPER関数は直前に文字が入力されている場合、頭文字と判断しないことに注意してください。

すべて大文字はUPPER関数、すべて小文字はLOWER関数、頭文字だけ大文字はPROPER関数を使います。半角文字と全角文字の区別はしません(⑨)。また、直前に文字が入力されている場合、PROPER関数は機能しません(⑩)

 あわせて、フラッシュフィルの機能も試してみてください。