Windows 11で絶対使いたいアプリ

なんでWindows 11はセカンダリモニターに時計がないんや……っていう人に「ElevenClock」

カスタマイズ性高し! プライマリモニターのタスクバー両端に時計を表示しちゃうことも

 Windows 11へアップグレードしたらぜひ試していただきたいオンラインソフトを紹介する本連載。第4回目となる今回紹介するのは、セカンダリディスプレイのタスクバーにカスタマイズ可能な時計を追加する「ElevenClock」だ。

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 Windows 11ではマルチモニター環境での使い勝手が大幅に強化されている。たとえばWindows 10ではスリープ状態から復帰すると、開いているウィンドウがプライマリ(メイン)モニターなどに移動してしまうことがあったが、Windows 11ではこの問題が解決された。

 また、「設定」アプリの[システム]-[ディスプレイ]セクションには、[モニターの接続に基づいてウィンドウの位置を記憶する][モニターが接続されていないときにウィンドウを最小化する]というマルチディスプレイオプションが追加された(既定で有効)。ラップトップに外部モニターを接続して利用している場合に大変便利で、「Windows 11でもっとも気に入った改善点」にこれを挙げる人も少なくない。

「設定」アプリの[システム]-[ディスプレイ]セクション

 しかし、それでも不満が完全に解消されたわけではない。なかでも「セカンダリディスプレイのタスクバーに日付と時刻(時計)を表示する機能」は長年要望されてきたにもかかわらず、まだ実装されていない。それならば――と有志が立ち上がって開発されたのが、今回紹介する「ElevenClock」だ。

セカンダリディスプレイにも時計を!「ElevenClock」

 「ElevenClock」は「GitHub」でホストされておりオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「Apache License 2.0」。リリースページから無償でダウンロードできるが、「Microsoft Store」から検索・インストールしてもよい。更新は「ストア」アプリではなく「ElevenClock」内蔵のアップデーターが管理するので、どちらからインストールしてもたいした違いはないだろう。

「GitHub」からインストーラーをダウンロードしてセットアップ
「Microsoft Store」から検索・インストールしても。更新はアプリ内蔵のアップデーターで管理

 「ElevenClock」はタスクトレイ常駐型のアプリになっており、起動するだけで機能する。セカンダリモニターのタスクバー右端をみれば、日付と時刻がちゃんと表示されているはずだ。

タスクトレイ常駐型のアプリ
「ElevenClock」の設定画面
セカンダリモニターのタスクバー右端に日付と時刻が表示される

 ただし、初期設定では背景が透過するようになっているので、タスクバーにアプリアイコンがあふれていると日付と時刻が見えづらいこともある。その場合は「ElevenClock」の表示をカスタマイズして、好みの背景色で塗りつぶしてしまうとよい。

 タスクバーの背景色と合わせたい場合は、色の選択ダイアログで[Pick Screen Color]ボタンをクリックする。カーソルが十字になるとクリックしたポイントの色が採取できるので、タスクバーの空いているところをクリックしよう。

背景色を指定すれば、タスクバーにアプリアイコンがあふれていても時計が見やすい
スクバーの背景色と合わせたい場合はカラーピッカーで色を採取するとよい。フォントやその色、大きさも変えられるので、自由にカスタマイズしてみよう

 また、タスクバーの設定を変更してセカンダリモニターのタスクバーに表示されるタスクアイコンを減らすのも有効だ。

タスクバーの設定を変更してセカンダリモニターのタスクバーに表示されるタスクアイコンを減らすのも有効

 そのほかにも、「ElevenClock」にはさまざまなオプションが用意されている。

  • アプリが全画面モードのときは時計を非表示にする
  • 「リモートデスクトップ接続」アプリなどで接続している場合は時計を非表示にする
  • タスクバーの自動開閉に合わせて時計の表示・非表示を切り替える
  • 時計をデスクトップ上部に強制表示する
  • 時計をタスクバーの左側に表示する
  • プライマリモニターにも時計を表示する
  • 曜日や秒を時計に表示する

 たとえば、Windows 11標準の時計は曜日や秒を表示できない。しかし、「プライマリモニターにも時計を表示する」オプションをONにして「ElevenClock」のカスタム時計を上にかぶせてしまえば、それを実現することが可能。カスタム時計のエリアは、標準の時計と同様、クリックすると通知センターやカレンダーが表示される。そのため、使い勝手も損なわれない。

Windows 11標準の時計の上に「ElevenClock」の時計をかぶせてカスタマイズ

 また、「時計をタスクバーの左側に表示する」オプションと「プライマリモニターにも時計を表示する」オプションを併用すれば、プライマリモニターのタスクバー両端に時計を表示することも可能。中央揃えになったタスクバーの両脇を有効活用したいユーザーは試してみてはいかがだろうか。

プライマリモニターのタスクバー両端に時計を表示

 なお、Microsoftはセカンダリモニターのタスクバーにも時計を表示する機能をプレビュー版Windows 11でテスト中だ。

 そのため、「セカンダリディスプレイのタスクバーに時計を追加する」という本アプリの意義は早晩失われることになる。それでも、時計の表示を自由にカスタマイズできるのは魅力で、Windows 11における「TClock」代替アプリとして今後も残ることだろう。

ソフトウェア情報

「ElevenClock」
【著作権者】
Marti Climent 氏
【対応OS】
Windows 11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
2.8.0(21/11/28)