やじうまの杜
「Visual C++」ランタイムのサポートっていつまで? ~ちゃんと把握して早めの移行を
延長サポートが終了、もしくは終了間際のバージョンも
2018年8月1日 06:00
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
「Visual C++」(VC++)で開発されたアプリケーションの実行には“ランタイム(再頒布可能パッケージ)”が必要となる場合があります。もちろんこのランタイムにもサポート期間があるのですが、「VC++」や「Visual Studio」のバージョンごとにランタイムがあり、大変ややこしいです。
しかし幸いなことに、Microsoftの公式ブログ“The dot before the Net”で最近掲載された記事にそのまとめが掲載されていました。本来は“企業で利用されているレガシーアプリをみつけて、アップデートしていこうぜ!”という趣旨の記事なのですが、今回は「VC++」ランタイムの方にフォーカスを当てて紹介したいと思います。
Visual Studio 2017(VC++ 15.0)
「Visual Studio 2017」で開発されたC++アプリケーションの実行には「Visual Studio 2017 の Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ」が必要です。
- メインストリームサポートの終了日:2022年4月12日
- 延長サポートの終了日:2027年4月13日
ちなみに「Visual Studio 2017(VC++ 15.0)」と「Visual Studio 2015(VC++ 14.0)」は同じランタイム(vcruntime140.dll)が利用されているのだそうです。
Visual Studio 2015(VC++ 14.0)
「Visual Studio 2015」で開発されたC++アプリケーションの実行には「Microsoft Visual C++ 2015 再頒布可能パッケージ Update 3」が必要です。
- メインストリームサポートの終了日:2020年10月13日
- 延長サポートの終了日:2025年10月14日
Visual Studio 2013(VC++ 12.0、msvcr120.dll)
「Visual Studio 2013」で開発されたC++アプリケーションの実行には「Visual Studio 2013 の Visual C++ 再頒布可能パッケージ」が必要です。また、「Microsoft Foundation Class(MFC)」のマルチバイト文字(MBCS)をサポートするには追加で「Visual Studio 2013 のマルチバイト MFC ライブラリ」が必要となります。
そのほかにも、Windows 8.1をサイドロード実行する場合のために「C++ Runtime for Sideloaded Windows 8.1 apps」が用意されています。
なお、サポート期間はいずれも同じです。
- メインストリームサポートの終了日:2019年4月9日
- 延長サポートの終了日:2024年4月9日
Visual Studio 2012(VC++ 11.0、msvcr110.dll)
「Visual Studio 2012」で開発されたC++アプリケーションの実行には「Visual Studio 2012 更新プログラム 4 の Visual C++ 再頒布可能パッケージ」が必要です。
- メインストリームサポートの終了日:2018年1月9日
- 延長サポートの終了日:2023年1月10日
メインストリームサポートが終了しているため、機能面での修正はもはや提供されていません。ただし、延長サポートの終了日まではセキュリティアップデートが提供されます。
Visual Studio 2010(VC++ 10.0、msvcr100.dll)
「Visual Studio 2010」で開発されたC++アプリケーションの実行には「Microsoft Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ」が必要です。
- メインストリームサポートの終了日:2015年7月14日
- 延長サポートの終了日:2020年7月14日
延長サポートの終了日が近づいているので、アップデートの検討が必要です。
Visual Studio 2008(VC++ 9.0、msvcr90.dll)
「Visual Studio 2008」で開発されたC++アプリケーションの実行には「Microsoft Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ」が必要です。
- メインストリームサポートの終了日:2013年4月9日
- 延長サポートの終了日:2018年4月10日
すでにサポートが終了しているため、セキュリティアップデートが提供されません。できるだけ早い移行が必要です。
旧バージョンの「Visual Studio」のダウンロード
なお、アプリケーションの移行にあたり旧バージョンの「Visual Studio」が必要な場合は、以下のWebページからダウンロードできます(ただし、延長サポートがまだ残っている製品のみ)。
ランタイムもダウンロードできますので、覚えておくと便利です。