やじうまの杜

CSVファイルが勝手に「Excel」ファイルに? 「OneDrive」の謎仕様に驚きと戸惑いの声

コンシューマー向けのみの仕様、ビジネス向けでは起こらない

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「OneDrive」に保存したCSVファイル。これを開くと――

 いささか旧聞に属しますが、「OneDrive」の不可解な仕様が「Twitter」で話題になっていました。CSVファイルを開くと、勝手に「Excel」ファイル(XLSX形式)へ変換されてしまうのだそうです。

 編集部でも試してみましたが、確かにWeb版「Excel」で開く過程でファイル形式の変換が行われていました。

「ファイルを編集用に変換しています…」というメッセージが表示され……
Web版「Excel」でデータが開かれる
「OneDrive」を見てみると、CSVファイルが勝手にXLSXファイルになっている

 CSVファイルは、それぞれのデータをカンマ(,)と改行で区切っただけの、単なるテキスト形式です。そのため、テキストやテーブルの装飾、データの加工・集計結果、作成したグラフなどを保持しておくことができません。その点、XLSXファイルならば問題はありません。

CSVファイルの中身は単なるテキストデータ。表現力は低いがシンプル・軽量で、「Excel」がなくても閲覧・編集ができる
XLSXファイルは「Excel」の強力な機能をフル活用できるが、テキストエディターなどで簡単に開くことはできなくなる

 そのため、Microsoftが気を利かせてファイルの形式変換を自動で行うという仕様になっているようなのですが……たとえ初心者のための「親切」だとしても、いつの間にかオリジナルのファイルがなくなってしまうのは一般のユーザーにとっては想定外の動作で、心臓に悪い仕様だといえます。XLSXファイルを扱うには「Excel」が必要で、テキストエディターで気軽に閲覧・編集できるCSVファイルに比べ汎用性に欠ける点、ファイルサイズがちょっと大きくなる点も気になります。

CSVファイルExcel(XLSX)ファイル
書式・グラフなどを含むことのできる表現力×
テキストエディターで開ける汎用性×
ファイルのサイズ

 一応、ファイルの[バージョン履歴]メニューからオリジナルのCSVファイルを取得・ダウンロードすることはできますが(残っていればの話ですが……)、自動変換の後もオリジナルのファイルを残すなりの対応もほしいところです。

ファイルの[バージョン履歴]メニュー
オリジナルのCSVファイルを取得
ローカルへダウンロード

 ちなみに、この自動変換の仕組みはビジネス向けの「OneDrive」にはないとのこと。

 編集部にて「Microsoft 365 Business」で検証したところ、CSVファイルは勝手にXLSXファイルへ変換されず、そのままWeb版「Excel」で開くことができました。ただし閲覧専用で、編集するにはXLSXファイルへの変換が必要になります。

ビジネス向けの「OneDrive」では自動変換は行われない。CSVファイルは読み取り専用で開ける
編集するにはXLSXファイルへの変換が必要