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そこは正距方位図法だろ! 日経新聞のために即日開発された地図作成ツールが「X」(Twitter)で話題

パブリックドメインのデータで記事にも使いやすい

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日経新聞のために即日開発された「正距方位図法世界地図作成ツール」

 日経新聞のために開発されたという地図作成ツールが「X」(Twitter)で話題です。指定した地点を中心とした正距方位図法の世界地図を簡単に作成できます。



 ことの発端となったXの投稿が削除されているため、あとからきた人にはよくわからないと思いますので、かいつまんで経緯を説明すると――

  1. 『イラン、ディエゴガルシア島狙い発射 ミサイル長射程化の可能性』という記事を日経新聞が「X」に投稿
  2. しかし、その記事で用いられていた世界地図が正距方位図法ではなく、ミサイルの到達可能圏とされる円が正しくなかったため、ツッコミが多数
  3. 日経新聞のために正距方位図法世界地図作成ツールが即日制作・公開される
  4. 日経新聞が元の「X」投稿を削除

といった感じです。

 三次元である地球を二次元である地図で表現しようとした場合、角度(方位)、距離、面積すべてを正しく表現することはできません。たとえば私たちがもっともよく目にするメルカトル図法は角度を正確に表現できます(正角図法)が、高緯度になるほど面積が実際よりも過大に表現されてしまいますし、地図上の2点間を直線で結んでも実際の最短距離にはなりません。

 つまり、ミサイルの届く範囲を地図上に表現したければ、距離を正しく表現できる地図――たとえば正距方位図法を用いるのが適切です。

 「正距方位図法世界地図作成ツール」は指定した地点(「テヘラン」などと都市名で指定することも可能)を中心とした正距方位図法の世界地図を簡単に生成することが可能。2,000kmや4,000kmといったキリのよい距離を強調するラベルを追加したり、緯度・経度・陸地・国境の色、拡大率なども自由に指定できます。生成された画像はPNG形式に加え、拡大しても品質が劣化しないSVG形式でも保存可能。しかもパブリックドメインのデータが用いられているので、新聞やWebの記事に使っても問題ありません。至れり尽くせりですね。

都市名で基準点を指定することも可能

 ちなみに、日経新聞の当該記事は地図を差し替えたうえで「X」に再投稿されています。せっかく作ってくれた「正距方位図法世界地図作成ツール」はあえて使わなかったようです。