やじうまの杜
日本全国に散らばる苗字の分布を地図で確認できる「日本苗字アトラス」が面白い
都道府県、旧市区町村、大字・町・丁目の単位で最も多い苗字をマッピング
2025年10月17日 16:39
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
日本の苗字というのは面白いもので、地域によって大きな偏りがあったり、かなりシャレの利いたものだったりと、雑学の宝庫だったりします。小学校のクラス名簿を見たら、聞いたことのない苗字の児童がやたらと多かったりといったことを体験した方もいるかもしれません。
今回紹介する「日本苗字アトラス」は、そんな苗字の分布を日本地図上にマッピングして確認できるWebサービス。『苗字マニアによる苗字マニアのための苗字地図サイト』を謳っているだけあり、かなりの情報量が詰め込まれています。
デフォルトでは日本全体が表示され、各都道府県で最も多い苗字がマッピングされています。地図上の色は黄色が濃いほど苗字の偏りが強く、青いほど偏りが弱いことを表しています。この状態でも関東には『鈴木』が多く、関西は『田中』、北日本では『佐藤』が多いといったことが読み取れます。
マウスホイールの回転でズームしていくと市区町村単位で最も多い苗字、さらにズームすると大字・町・丁目の単位で最も多い苗字に切り替わり、かなり細かい地域別の情報が読み取れるようになります。都会の市区町村レベルではどうしても『鈴木』、『佐藤』といった有名苗字ばかりになりがちですが、大字・町・丁目になるとかなり多彩な苗字が現れます。
例えば東京都の新宿区には見慣れない『武信』が多い地域があったり、大阪市西区には『七理』という苗字が多い地域が見つかったりします。多い苗字の家は古くからその土地に住んでいた可能性があるので、自分の住む地域を調べて『隣の家は昔からこの土地に根を下ろしているのかも……』などと想像を膨らませるのも楽しいでしょう。
ちなみに、地図上をクリックすると、その地域の総世帯数と総苗字数、苗字あたり世帯数、苗字の相対的集中度(大きいほど偏りが強い)といったデータがポップアップで表示されます。苗字の偏りが強い地域は古くから住んでいる人が多い可能性が高いと考えられるので、『古い話を聞けそうだ』なんてことがわかるわけです。
加えて「日本苗字アトラス」には、苗字の多い地域の検索機能を備えています。左上の検索ボックスから苗字を検索すると右サイドバーに多い地域順のリストが表示されると共に、地図上の該当する地域に色が付いて表示されます。地域は都道府県単位と市区町村単位をタブで切り替えられますが、残念ながら大字・町・丁目単位では表示できません。
例えば、私の苗字『長谷川』を市区町村単位で検索すると、新潟県新潟市に多い苗字であることがわかります。新潟県新潟市を地図で表示し、左上のパネルにある[初期表示に戻る]ボタンを押すと、通常の表示になるのでズームして『長谷川』が最多苗字の地域を探すと新潟県新潟市東区東明3丁目に多いことがわかりました。もしかすると先祖はこのあたりの出身なのかもしれません(苗字の相対的集中度が-0.2325なので確度は低いですが)。
そのほか、珍しい苗字を調べてその苗字の人が多い土地を見つけるといった楽しみ方もできます。皆さんも苗字マニアになって苗字の世界を深掘りしてみませんか?