【第9回】
「EmEditor」「EmTerm 95」の作者
江村 豊さん
一番興味のあること、好きなことをソフト制作に活かすのが重要だと思います
(02/08/22)
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江村 豊さん |
窓の杜の読者のみなさんなら、それぞれに気に入って使い続けているオンラインソフトがあるはず。そしてそのソフトに愛着がわけばわくほど、どんな人が作ったのかが気になってくるから不思議。そこで「このソフト作った人はどんな人?」では、普段はお目にかかれないオンラインソフト作者さんに、「普段はどんなことをしているんですか?」「他の作者さんのオンラインソフトのなかでオススメのソフトはありますか?」など、みなさんの代わりにお話を伺って、ソフトを作っている作者さんがどんな人なのか、お伝えしていこう。
第9回目は、「EmEditor」「EmTerm 95」などの作者「江村 豊」さんだ。
まず年齢、職業と、趣味など普段なさっていることを教えて下さい。
年齢は36才で、職業は(株)エムソフトとEmurasoft Inc.の社長をしています。現在Emurasoft Inc.のあるアメリカはシアトルを本拠地にしていまして、休日にはドライブなどをしてワシントン州の壮大な自然を楽しんでいます。ですから、趣味は海や山へ旅行に行くことでしょうか。
オンラインソフトはいつ、どんな時間帯に制作していますか。
私の会社はソフト開発を主な業務としていますので、オンラインソフト制作はウィークデイの業務時間内に行っています。もっとも時差の関係で日本では夜頃になりますが(笑)。
パソコン歴と最初に使ったパソコンを教えて下さい。
高校2年生の頃に買ったPC-6001が初めてのパソコンでした。当時はマイコンと呼んでいましたね。大学時代にはPC-8801やPC-9801とNECの主力パソコンを渡り歩き、卒業後に初めてWindowsマシンを買いました。
現在のオンラインソフトの開発環境を教えて下さい。
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アメリカの事務所にて |
Windows XP上で動作している「Visual Studio」です。最近は「Visual Studio .NET」を導入しまして、.NETのソフトの開発もやりたいと思っています。
オンラインソフトを作ろうと思ったきっかけを教えて下さい。
とにかく自分でソフトを作ってみたい、また作ったソフトをみなさんに使ってもらいたいという気持ちが強くて、最初にWinodwsのゲームを制作しました。
継続してソフトを作ろうと思う理由は何ですか。
初めて作ったWindowsのゲームをシェアウェアとして公開したところ、当時はまだWindows用のゲームが少なかったこともあって、けっこう反響がありました。この反響に気をよくして、ソフト制作がますます楽しくなったんです。ですから、私が継続してソフトを作り続けていられるのも、みなさんの反響のおかげということになりますね。
オンラインソフトを作っていて辛いと思ったことはありますか。
やはり苦労して作った自分のソフトに対する反響が少なかったり、シェアウェアが思ったように売れなかったりするのは辛いと思います。
あなたのソフトを利用しているユーザーに望むことはなんですか。
我が社のソフトをどんどん使って、買ってください(笑)。もちろん、ソフトに関するご意見も大歓迎です。みなさんのご意見を反映して、もっといいソフトを作っていきたいと思っています。
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約1年半ぶりの帰国時の予定は、すでにびっしり |
お作りになったソフトの中で一番自信のあるものはどれですか。
やはり「EmEditor」ですね。
影響を受けたソフトはありますか(オンラインソフトでなくても構いません)。
ソフトのデザインや表記、操作感や機能などは、基本的に最新のWindowsに則ったものになるように心がけています。たとえば、多言語コードのUnicodeやWindwos XPで採用されたビジュアルスタイルにいち早く対応したりしています。その意味ではWindowsそのものに強く影響を受けていると思います。
他の作者さんのオンラインソフトのなかで、オススメのソフトはありますか。
オンラインソフトでは、「FFFTP」や「LHMelt」などを使っています。実はWindows付属のソフトやパッケージソフトばかりを使っていて、オンラインソフトはあまり使っていないのですが(笑)。
□窓の杜 - FFFTP
http://www.forest.impress.co.jp/library/ffftp.html
□窓の杜 - LHMelt
http://www.forest.impress.co.jp/library/lhmelt.html
ソフトを作ってみたい人、ソフト作者になりたい人へアドバイスをお願いします。
自分が一番興味のあること、好きなことをソフト制作に活かすのが重要だと思います。ユーザーに受けるかどうか、シェアウェアにして売れるかということは後回しにして、まずは自分のために作ってみるというのがよいのではないでしょうか。
今後、オンラインソフト全体はどうなっていくと思いますか。
オンラインソフトは、これからもどんどん増えていくと思いますね。質の高いものはいつの時代も限られるとは思いますが、それでも新しい発想のソフトはこれからも出てくると思います。
窓の杜へのご意見やご要望など、窓の杜に望むことはありますか。
軸足をライブラリから記事に移して、初心者向けの記事をもっと増やすとよいのではないでしょうか。
読者のみなさんに一言お願いします。
ぜひ、「EmEditor」を使ってみてください。よろしくお願いします。
□窓の杜 - EmEditor
http://www.forest.impress.co.jp/library/emeditor.html
□窓の杜 - EmTerm 95
http://www.forest.impress.co.jp/library/emt32.html
(齋藤 正穂)