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「Microsoft Edge 85」が正式リリース ~コレクションを「OneNote」にエクスポート
組み込みPDFビューワーには蛍光ペン、開発者ツールには“Surface Duo”エミュレーションが追加
2020年8月28日 11:00
米Microsoftは8月27日(現地時間、以下同)、「Microsoft Edge」の最新安定(Stable)版v85.0.564.41を公開した。メジャーバージョンアップとなる本バージョンでは、不具合やセキュリティ問題の修正に加え、いくつかの新機能が導入されている。
まず、“コレクション(Collection)”のエクスポート先として「OneNote」が選べるようになった。コレクションは閲覧ページやそのコンテンツをクリップする機能で、ショッピングのときに“ほしいものリスト”や“プレゼント候補”をまとめたり、旅行やイベントで宿泊先や訪問先を比較・検討したり、Webの資料を整理して授業計画やレポートを作成するのに役立つ。これまでも「Word」や「Excel」がサポートされていたが、「OneNote」でも利用できるようになったことで活用の幅が広がるだろう。なお、このコレクション機能はモバイル版「Microsoft Edge」でも利用できる。
次に、組み込みのPDFビューワーにハイライトツールが追加された。5色の蛍光ペンから好みのものを選択し、PDFドキュメントにマークを付けることができる。煩わしい通知の許可を求めるポップアップの軽減策も強化され、より使いやすくなった。
一方、企業・教育機関向けにも多くの機能強化が導入された。たとえばお気に入りと設定のオンプレミス同期がサポートされ、標準のクラウド同期の代わりに、社内の「Active Directory」と設定を同期できるようになった。「Internet Explorer」モードもアップデートされており、管理者が信頼できるとして登録したWebサイト・アプリに関しては、確認プロンプトなしで閲覧できる。
開発者向けのアップデートとしては、“Storage Access API”がサポートされた。最近のWebブラウザーではクロスサイトトラッキングを防止するためにファーストパーティストレージへのアクセスを制限している場合が多いが、必要であればこのAPIを用いてアクセスをリクエストできる。
また、開発者ツールでは“Surface Duo”のエミュレーションがサポートされた。デュアルスクリーンデバイスでWebコンテンツがどのように見えるかをテストできる。
今回のアップデートで対処されたセキュリティ問題は「Google Chrome」v85.0.4183.83で修正されたものとほぼ共通で、CVE番号ベースで13件に上る。最大深刻度は4段階中最高の“High”と評価されており、できるだけ早い対応が必要だ。
「Chromium」ベースの「Microsoft Edge」はWindows/Macに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに新しい「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー(“…”アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。ただし、「Edge 83」からはアップグレードに伴い不具合がないか確認しながら慎重に提供範囲を拡大していく“プログレッシブロールアウト”と呼ばれるアップデートの仕組みが導入されているため、すぐにはアップデートを受け取れない場合がある。