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来月サポート終了の旧「Microsoft Edge」、4月の月例パッチで新版に置き換えへ

“キオスクモード”で運用している場合は若干の注意が必要

新旧「Edge」の置き換えが開始

 米Microsoftは2月5日(現地時間)、「EdgeHTML」ベースの古い「Microsoft Edge」(Microsoft Edge レガシ)を4月の月例アップデートで「Chromium」ベースの新しい「Edge」に置き換える方針を明らかにした。「Microsoft Edge レガシ」はすでに開発を終了しており、3月9日をもってサポートが打ち切られることがアナウンスされている。

旧「Edge」は3月9日でサポート終了。置き換えを待たずアップデートを行うべきだろう

 「Microsoft Edge レガシ」から新「Edge」への置き換えは、原則として4月第2火曜日に配信される月次の累積的更新プログラム(“B”リリース)で行われる。Windows 10の一部バージョンでは、先行配信されるプレビューパッチ(“C”リリース)で新旧「Edge」の置き換えをテストすることも可能だ。

  • Windows 10 バージョン 1803:Cリリースなし。Bリリースで置き換え
  • Windows 10 バージョン 1809:C/Bリリースで置き換え(5月に全エディションでOSのサポート終了)
  • Windows 10 バージョン 1903:デスクトップ向けのサポートはすでに終了
  • Windows 10 バージョン 1909:C/Bリリースで置き換え(5月に一部エディションでOSのサポート終了)
  • Windows 10 バージョン 2004:C/Bリリースで置き換え
  • Windows 10 バージョン 20H2:新「Edge」が初期搭載されている

 Windows 7/8.1はもともと「Microsoft Edge レガシ」が利用できないため、今回の措置の影響は受けない。また、すでに新「Edge」がシステムにインストールされている場合は、「Microsoft Edge レガシ」の削除のみが行われるとのこと。新旧「Edge」の置き換えは“累積的”パッチ(これまでにリリースされたパッチすべてをまとめたもの)の一部となっているので、これだけをスキップしたり、アンインストールすることはできない。

 新「Edge」は「Google Chrome」などと同じ「Chromium」をベースとしており、互換性が高い。また、アップデートがOSと切り離されており、重要なセキュリティアップデートを逐次受け取ることができるほか、6週間おきにメジャーバージョンアップが行われ、新機能の追加と既存機能の改善が行われる。MacやLinuxで利用可能で、パスワードをはじめとするユーザーデータを同期できるのも魅力だ。

 なお、「Microsoft Edge レガシ」を“キオスクモード”で運用している場合は若干の注意が必要となる。

 “キオスクモード”(Kiosk Mode)は特定のアプリを全画面で表示し、そのアプリだけを操作できるようにした状態で、公共施設に設置されている検索専用端末やデジタルサイネージ(電子看板、広告)などに用いられる。

 新旧「Edge」の置き換えにより、“キオスクモード”で運用している「Edge」は再設定の必要がある。また、「Microsoft Edge レガシ」でサポートされていた一部機能は利用不能となる。ほとんどの機能は「Edge 90」で再び利用可能となり、「Edge 91」で「Microsoft Edge レガシ」とほぼ同等の機能がサポートされる予定だが、影響の大きさは運用方法によって異なる。公式の移行ドキュメントなどを参照しながら、事前に入念なテストを行うことをお勧めする。“FastTrack”や“App Assure”による法人向けサポートも提供されるとのことなので活用したい。

“キオスクモード”で運用した旧「Edge」。新「Edge」の置き換え時は再設定が必要。なかには一時的に利用できなくなる機能も