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新機能盛りだくさんの「Microsoft Edge 88」が正式公開 ~サイドバー検索や新しい履歴ポップアップ
Adobe FlashとFTPプロトコルのサポートは廃止
2021年1月22日 14:15
米Microsoftは1月21日(現地時間)、「Microsoft Edge」の最新安定(Stable)版v88.0.705.50を公開した。「Edge 88」ではパスワードジェネレーターやパスワードモニターを追加するなど、セキュリティとプライバシー保護関連の機能を大幅に強化。ユーザーインターフェイスやパフォーマンス関連の改善も多数盛り込まれている。
ユーザーインターフェイス関連では、サイドバー検索機能の導入が目玉。Webページの選択テキストを右クリックして[サイドバーを使い Bing で……を検索]メニューを選択すると閲覧画面右側にパネルが現れ、“Bing”の検索結果が現れる。記事で目にした単語の意味や人物の略歴を調べるだけなら、新規タブページを開いて検索するよりも手軽で便利だ。ただし、アドレスバーで使用する検索エンジンを“Google”などへ変更していても、サイドバー検索のエンジンは“Bing”固定となる。
また、プレビュー版でテストされていた新しい“履歴”インターフェイスも、「Edge 88」から正式に導入された。サブメニューをたどるスタイルからポップアップスタイルになり、ツールバーに追加して利用できる。最近閉じた項目(タブやウィンドウ)、他のデバイスで閲覧していたページもここからアクセス可能。「Edge 88」では履歴と開いているタブの同期がサポートされているので、デバイスをまたいだ利用が手軽になっている。
このポップアップはフォーカスを失えば自動で閉じて邪魔にならないが、ピン留めアイコンをクリックして閲覧画面の右側にサイドバーとして固定表示しておくことも可能。目的のWebページをすばやく探し出せる検索機能や、閲覧履歴を削除するコマンドも便利だ。
加えて、“垂直タブ”機能が利用できるようになったとのこと。編集部では確認できなかったが、近日中に提供される可能性がある。新規タブページの“Outlook”アイコンから新規メールを作成したり、新着メールをチェックする機能も利用できるようになるという。
そのほかにも、Webフォームの自動入力機能が強化され、生年月日を補完できるようになった。アプリのアイコンは“Fluent Design”に沿ったデザインに変更されている。フォントのレンダリングも改善されており、ぼやけを減らしつつより明確なテキストレンダリングが可能になっているとのこと。
パフォーマンス関連の目玉は、アクティブではないタブのリソースを積極的に解放して負荷を低減するスリープタブ(Sleeping Tabs)だ。同社によると、この機能により一般的な環境でメモリ使用量は平均で32%、CPU利用率は平均37%削減できるという。
加えて、スタートアップ ブーストと呼ばれる機能が一部のユーザーに導入される。これは「Edge」をバックグラウンドで起動しておき、ユーザーが必要としたときにすぐさま反応できるようにしたもので、体感での起動速度が大きく改善される。
また、Mac版でプロファイルの自動切り替え機能が利用できるようになった。個人用のアカウントで「Edge」を利用しているときに組織のアカウントで認証しているWebサイトを開くと、「Edge」を組織のアカウント(プロファイル)に切り替えるかどうかを尋ねるダイアログが現れる。
セキュリティ関連の修正はまだ明らかにされていないが、「Google Chrome 88」と同じ内容だと思われる。「Chrome」v88.0.4324.96ではCVE番号が割り当てられた脆弱性が26件修正されており、そのなかには深刻度が“Critical”のものも含まれている。できるだけ早い対処が必要だろう。
「Chromium」ベースの「Microsoft Edge」はWindows/Macに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに新しい「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー(“…”アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。すぐにアップデートを受け取れない場合もあるので、その場合は時間をおいて再度試してみてほしい。
なお、「Edge」における「Adobe Flash Player」のサポートは本バージョンで削除された。また、FTPプロトコルのサポートも廃止されているので注意したい。