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「源ノ角ゴシック/Source Han Sans」がバリアブルフォントに ~サイズは1/10以下、可能性は無限大

日本・中国・韓国の65,535グリフをひとまとめ。ウェイトも好みに指定可能

「Source Han Sans」(源ノ角ゴシック)がバリアブルフォントに

 米Adobe Systemsは4月8日(現地時間)、「Source Han Sans」(源ノ角ゴシック)の最新版v2.003を公開した。「Source Han Sans」は、日本・中国・韓国(CJK)で使われている文字を網羅したゴシック体のオープンソースフォント。Googleとの共同で開発されており、Googleからは「Noto Sans CJK」としてリリースされている。

 「Source Han Sans」フォントには65,535個のグリフが含まれており、かなりのファイルサイズとなる。そのため、とくにWebサイトにホストして利用するには不向きだった。利用地域ごとにファイルを分割するなどの解決策もとられているが、グリフが拡充されるにつれてそれすらも大きくなりつつあるほか、地域をまたいだコンテンツをホストするWebサイトにはやはり不向きだ。

 そこで有力視されていたのが、バリアブルフォント(可変フォント)だ。バリアブルフォントは2016年、Apple/Google/Microsoft/Adobeが「OpenType Font Variations」として共同発表した技術で、サイズやウェイト、字幅などのパラメーターを連続的に補完できる。単一のフォントファイルで、多彩なフォント表現が可能となるわけだ。

 発表から4年以上が経過し、この技術は「Google Chrome」をはじめとするモダンブラウザーでサポートが完了。クリエイティブツールでの対応も進んでいる。そこで、満を持して「Source Han Sans」もバリアブルフォントで作り直された。

 バリアブルフォントとなった「Source Han Sans」は、7つあったウェイトが1つのフォントファイルにまとめられている。複数フォントを束ねるファイル形式「OpenType Collections」(OTC)と組み合わせることで、ファイルサイズはv2.002の593.7MBから32.9MBまで削減された。各地域ごとのサブセットフォントはさらに小さくなっており、たとえば日本語のサブセットは8.1MBしかない。WOFF2形式に圧縮すれば、たったの4.1MBだ。

 また、デザインの自由度も高まっている。従来のフォントは“Extra Light”から“Heavy”までの7つの決められたウェイトしか選べなかったが、バリアブルフォントであればその間のウェイトも柔軟に指定できる。

 「Source Han Sans」は現在、“GitHub”や窓の杜ライブラリから無償でダウンロード可能。オンラインフォントサービス“Adobe Fonts”からも利用できる。

ソフトウェア情報

「Source Han Sans」
【著作権者】
Adobe Systems Incorporated
【対応OS】
Windowsなど(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.003(21/04/08)