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システムフォント「Segoe UI」が可変フォントに ~Dev版Windows 10 Build 21376でテスト中
小さなサイズでも読みやすく、大きなサイズでも美しい
2021年5月7日 06:00
米Microsoftは5月6日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」Build 21376(CO_RELEASE)を公開した。「Windows Insider Program」のDevチャネルに参加しているのであれば、「Windows Update」を介してアップデートできる。
本ビルドの目玉は、Windowsの欧文システムフォント「Segoe UI」の刷新だ。小さな文字を印刷するためのフォントは、歴史的な理由でディスプレイでの表示を目的としたフォントとは異なるデザインになっている。「Segoe UI」の場合、9ptでのディスプレイ表示に最適化して設計されており、そのサイズでは美しく表示される。しかし、小さなサイズで印刷した場合は読みやすいとは言えない。また、フォントサイズを大きくしていくと次第にバランスが破綻する。
この問題をバリアブルフォント(可変フォント)技術で解決したのが、新たに導入される「Segoe UI Variable」だ。フォントのサイズに応じて字形やウェイト、間隔を微調整することで、非常に小さなサイズでも優れた可読性を実現している。また、フォントサイズを大きくしても美しく表示される。
バリアブルフォントの採用例としては、最近では「Source Han Sans」(源ノ角ゴシック)が記憶に新しい。「Source Han Sans」の場合、バリアブルフォントの採用は主にファイルサイズの削減を目的としていた。それに対し、「Segoe UI」では可読性と美しさの向上のために用いられているのが対照的だ。
「Segoe UI Variable」は、OSの一部として搭載される。ただし、UIへの反映は時間をかけて段階的に行われる予定。日本語環境では「メイリオ」や「Meiryo UI」、「Yu Gothic UI」がシステムフォントととして利用されているため、「Segoe UI」を目にすることはあまりないかもしれないが、注意してみると面白いかもしれない。
そのほかにも、新しいタスクバーのニュース機能[ニュースと関心事項](News and interests)を中心に多くの修正が施された。ゲームの画質をSDRからHDRへ自動的にアップグレードする「Auto HDR」機能をテストしたい場合は、「設定」アプリの[ディスプレイ]セクションでオプションが有効化されていることを確認しておきたい。
「Windows Insider Program」のDevチャネルは、アクティブな開発ブランチで試験実装された新機能が提供されている。トラブルにあった場合に自分で解決できるだけの力は求められるものの、初期機能に積極的なフィードバックを行いたいユーザーにお勧めだ。ただし、機能によっては段階的に解放されるため、すぐには利用できないこともある。また、Devチャネルに追加された機能はあくまでも試験的なもので、製品版に導入されるとは限らないので注意したい。