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ビデオ会議のノイズをAIがカット! GPUによる配信支援アプリ「NVIDIA Broadcast 1.2」が公開

部屋の反響音やペット・虫の鳴き声、ビデオノイズも除去。ビデオ会議の品質もアップ

ルームエコー除去を搭載した「NVIDIA Broadcast 1.2」

 米NVIDIAは5月11日(現地時間)、ブロードキャストアプリ「NVIDIA Broadcast 1.2」をリリースした。このアップデートではルームエコー除去がベータ版として導入されたほか、カメラエフェクトとしてビデオノイズ除去が追加されている。

 「NVIDIA Broadcast」は、「GeForce RTX」シリーズのGPUを搭載するゲーミングPCを、AIの力でホームスタジオに変えてしまうツール。マイクやスピーカーからバックグラウンドノイズを取り除いたり、Webカメラにバーチャル背景機能を追加したり、被写体の動きに追従してクロップとズームを行う(自動フレーム)といったAI機能を備えており、ライブ配信やボイスチャット、ビデオ会議の品質を大きく引き上げてくれる。

 対応OSは64bit版のWindows 10で、「GeForce RTX 2060」や「Quadro RTX 3000」、「TITAN RTX」以上のグレードのGPU、8GB以降のメインメモリが必要。また、Intel Core i5 8600、AMD Ryzen 5 2600以上のCPUを利用することが推奨されている。システム要件は比較的高めだが、最近のゲーミングPCであればクリアできるだろう。

 なお、GPUドライバーが「NVIDIA Studio Driver 462.46」、「Game Ready Driver 465.89」以降でない場合はセットアップが中断されてしまうので注意。あらかじめ最新のものにアップデートしておくとよい。

GPUドライバーのアップデートを

 「NVIDIA Broadcast 1.2」のルームエコー除去は、音響効果の低い部屋でありがちな声の反響を取り除くものだ。日頃はあまり体感できないが、長時間のストリーミングセッションでルームエコーの影響は無視できない。リスナーのストレスを少しでも軽減したいなら、試してみる価値はあるだろう。

 もう一つの新機能であるビデオノイズ除去は、低品質なWebカメラで、とくに光量の少ない状況で現れるノイズを取り除く。ルームエコー除去と同じくまだベータ版の機能で、まだ完全なものではないが、今後の改良に期待したい。

 一方、既存の機能も改善されている。たとえば、人気のノイズ除去機能には猫や犬の鳴き声を分離するプロファイルが追加。虫の音にも対応しており、セミの鳴き声も消せるようになった。自動フレーム機能もアップデートされており、被写体をある程度(画面の1/3程度)動かしてもカメラを動かさないようにするバッファゾーンが設けられているとのこと。

 また、1台のデバイスに複数のAIエフェクトを適用できるようになったのも大きな改善点。たとえば、Webカメラに背景ぼかしと自動フレームを組み合わせるといった運用が可能となる。

1台のデバイスに複数のAIエフェクトを適用

 これらの機能は「NVIDIA Broadcast」だけでなく、昨年10月に発表された「NVIDIA Maxine」のSDKを用いることで他のアプリに組み込むことも可能。「OBS Studio」や「Notch」といった配信アプリだけでなく、AVerMedia製のマイクやWebカメラ製品でも活用されているという。

ソフトウェア情報

「NVIDIA Broadcast」
【著作権者】
NVIDIA Corporation
【対応OS】
64bit版Windows 10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.2(21/05/11)