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カメラ目線キープとヴィネット効果に対応したAI配信アプリ「NVIDIA Broadcast 1.4」

「GeForce RTX」搭載PCをAIでホームスタジオに変えてしまう無償ツール

「NVIDIA Broadcast 1.4」

 米NVIDIAは1月12日(現地時間)、ブロードキャストアプリ「NVIDIA Broadcast 1.4」をリリースした。このアップデートでは、新たに2つのエフェクトが追加されている。

アイコンタクト(ベータ版)

 1つ目は、カメラ目線をシミュレートする「アイコンタクト」だ。たとえば話者が資料に目を落とすなどしていても、その目をモーフィング(ある状態から別の状態へ自然に画像を変化させていく加工技術)して、あたかもカメラへ視線を合わせたままであるかのように映像を加工することができる。

カメラ目線をシミュレートする「アイコンタクト」

 この機能はベータ版として提供される。

NVIDIA Broadcast 1.4 Update Featuring Eye Contact

ヴィネット(Vignette)

 2つ目は、画像の中心から距離に応じて明るさや彩度を低下させる「ヴィネット」。被写体を強調することが可能で、「Instagram」などのアプリでもおなじみのエフェクトだ。

画像の中心から距離に応じて明るさや彩度を低下させる「ヴィネット」。背景ぼかしと組み合わせれば、被写体をより強調できる

 これらの機能は「NVIDIA Broadcast」だけでなく、昨年10月に発表された「NVIDIA Maxine」のSDKを用いることで他のアプリに組み込むことも可能。「OBS Studio」や「Notch」といった配信アプリだけでなく、AVerMedia製のマイクやWebカメラ製品でも活用されているという。

 そのほかにも、「NVIDIA Broadcast 1.4」では仮想背景エフェクトをアップデート。背景ぼかしや背景交換、背景の除去といったエフェクトの安定性や追従性が改善された。プレビュー画面下には2つのボタンが追加され、カメラを反転(ミラーリング)したり、スナップショットの撮影ができるようになった。また、UIの説明を行うツールチップを追加するなど、ユーザビリティの向上も図られている。

カメラプレビューを操作する2つのボタン。ツールチップも追加

 「NVIDIA Broadcast」は、「GeForce RTX」シリーズのGPUを搭載するゲーミングPCを、AIの力でホームスタジオに変えてしまうツール。マイクやスピーカーからバックグラウンドノイズを取り除いたり、Webカメラにバーチャル背景機能を追加したり、被写体の動きに追従してクロップとズームを行う(自動フレーム)といったAI機能を備えており、ライブ配信やボイスチャット、ビデオ会議の品質を大きく引き上げてくれる。

 対応OSは、64bit版Windows 10に対応するフリーソフト。編集部にてWindows 11でも動作を確認している。現在、同社のWebサイトから無償でダウンロードだ。なお、動作には「NVIDIA GeForce RTX 2060」「TITAN RTX」以降のGPUが必要となる。

ソフトウェア情報

「NVIDIA Broadcast」
【著作権者】
NVIDIA Corporation
【対応OS】
64bit版Windows 10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.4(22/01/12)