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Web版「Excel」の新しいマクロ機能「Office スクリプト」が一般リリース

ユーザー操作をJavaScriptとして記録・編集・再生・共有

Web版「Excel」で「Office スクリプト」が一般リリース

 米Microsoftは5月27日(現地時間)、Web版「Excel」で「Office スクリプト」(Office Scripts)を一般公開したと発表した。今年初めよりパブリックプレビュー版として提供されていたが、約半年のテストを経て正式な機能として提供されることになった。

 「Office スクリプト」は、ユーザーによる「Excel」操作をJavaScriptとして記録するマクロ機能。記録されたスクリプトはオンラインエディターで編集したり、オンラインストレージ「OneDrive for Business」へ保存して組織内で共有することが可能。今まで手作業で行っていた定型的な操作(タスク、ワークフロー)を自動化し、チームのメンバーと共有することで、組織全体の作業効率を飛躍的に高めることができる。作成したスクリプトを定時実行するようにスケジューリングしたり、「Power Automate」と組み合わせて他のサービスと連動させることも可能だ。

ユーザーによる「Excel」操作をJavaScriptとして記録・編集・実行(再生)

 既存の「VBA」マクロとの違いは、「VBA」がデスクトップソリューション向けに開発されているのに対し、「Office スクリプト」はWebでの共同作業を前提に開発されている点だ。COMやOLEなどの既存技術を活用したい場合や、デスクトップ版「Excel」のフル機能にアクセスする必要がある場合は今後も「VBA」に頼ることになるだろう。

 一方、「Office スクリプト」はシンプルで一貫した動作が魅力だ。スクリプトを実行するPCの構成次第で動いたり動かなくなったりすることもないし、Webとの親和性も高い。「VBA」と異なり標準的なJavaScriptが用いられているので、Web技術に慣れたユーザーであれば比較的扱いやすいだろう。また、マクロの共有がオンラインストレージで簡単に行える点や、マクロの共有を管理者側で集中管理できるのも特徴といえる。

「VBA」マクロと「Office スクリプト」の違い。社外への提供はアドインに

 なお、「Office スクリプト」を利用するには以下のサービスが必要。Webブラウザーに指定はないようだが、「Internet Explorer」は利用できないので注意したい。

  • Excel on the web (デスクトップ版などは未サポート)
  • OneDrive for Business。

 また、「Microsoft 365」のデスクトップ版「Office」アプリにアクセスできる商用または教育機関向けのライセンスが別途必要となる。

  • Microsoft 365 Apps for business
  • Microsoft 365 Business Standard
  • Microsoft 365 Apps for enterprise
  • Office 365 ProPlus for Devices
  • Office 365 Enterprise E3
  • Office 365 Enterprise E5
  • Office 365 A3
  • Office 365 A5

 これらの条件を満たしていれば、Web版「Excel」のリボンの[自動化]タブに「Office スクリプト」関連のコマンドが現れる。

リボンの[自動化]タブに「Office スクリプト」関連のコマンドが現れる