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真夏の風景もAIがちょちょいと秋の夕暮れに ~デスクトップ版「Photoshop」に驚きの新機能
iPad版はRAWイメージに対応
2021年10月27日 09:00
米Adobeは10月26日(現地時間)、年次カンファレンス「Adobe MAX 2021」で、デスクトップ版とiPad版「Adobe Photoshop」のメジャーアップデートを発表した。同社の人工知能(AI)技術「Adobe Sensei」を活用した驚くべき新機能が多数導入されている。
デスクトップ版「Adobe Photoshop 23.0」
デスクトップ版「Adobe Photoshop 23.0」ではオブジェクト選択ツールが大幅に強化され、マウスホバーさせるだけで被写体を認識し、クリックして選択できるようになった。一部検出できないオブジェクトは残っているが、今後も「Adobe Sensei」の改善でより多くのカテゴリーを選択できるようにしていくという。オブジェクトが検出されなかったり、不完全な場合は、これまで通り矩形選択やなげなわツールでオブジェクトを選択すればよい。
また、同じくAIを活用した機能として、すべてのオブジェクトをマスクするコマンドが追加された。レイヤー内のすべてのオブジェクトを認識し、ワンクリックでマスクを作成できる。
昨年導入された「ニューラルフィルター」も強化されている。これはスライダーを調整するだけでシーンに色を付けたり、画像の一部をズームインしたり、人の表情や年齢、視線、ポーズを変更したりといった加工を試すことができる非破壊型フィルターで、最新版では既存のフィルターがアップデートされたほか、「風景ミキサー」、「カラーの適用」、「色調和」といった新しいフィルターがベータ版として導入された。
そのほかにも、グラデーションやテキストレイヤーの改善、油彩フィルターの高速化、「Illustrator」との相互運用性の向上などが行われた。Apple Silicon(M1)デバイス限定で提供されていた「書き出し形式」機能がすべてのデスクトップOSでデフォルトとなったほか、カラーマネージメントおよびHDR機能も強化されている。
iPad版「Adobe Photoshop 3.0」
一方、iPad版「Adobe Photoshop 3.0」ではRAWがサポートされた。デジタルカメラから直接写真を取り込んだり、「iPhone 12」のApple ProRAW画像をそのまま扱えるようになる。
また、デスクトップ版の「スマートオブジェクト」がiPad版でもサポートされた。編集こそ行えないが、レイヤーで変換(拡大・縮小して回転、ゆがみ、変形、遠近法)可能で、品質を損なわずに操作できる。
そのほかにも覆い焼きツールと焼き込みツールがサポートされ、特定領域の明るさを修正したり、画像の露出量を調整できるようになった。