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「LibreOffice 7.3 Community」が公開、「Microsoft Office」との互運用性に焦点
「OpenDocument Format」(ODF)をネイティブサポートする無償のオフィス統合環境
2022年2月3日 09:00
The Document Foundation(TDF)は2月2日(中央ヨーロッパ時間)、オープンソースのオフィス統合環境「LibreOffice 7.3 Community」を公開した。「LibreOffice 7.2」の後継となるメジャーアップデートで、「Microsoft Office」ファイルとの相互運用性に焦点を当てた改善が行われているという。
「LibreOffice」は仕様が公開された「OpenDocument Format」(ODF)をネイティブサポートしており、財団はその利用を推奨している。しかし、実際には大きなシェアを占めている「Microsoft Office」のドキュメントを扱わざるを得ないケースも少なくない。
これらのドキュメント(DOCX、XLSX、PPTX)は2008年にISOで非推奨とされた独自のフォーマットに基づいており、不必要に複雑化されていると財団は非難しているが、その一方で「Microsoft Office」から「LibreOffice」への移行を検討しているユーザーや、「Microsoft Office」と「LibreOffice」の間でドキュメントのやり取りを行うユーザーのため、互換性向上に注力してきた。
財団によると、「LibreOffice 7.3」では以下の点が改善されているとのこと。
- テーブルにおける変更の追跡やテキストが移動したときの処理を新規に開発し、「Microsoft Office」との互換性を向上
- サイズの大きなDOCXファイルやXLSX/XLSMファイルを開く際のパフォーマンスを改善。複雑なドキュメントのレンダリングで速度向上が図られたほか、「LibreOffice 7.1」で導入された「Skia」バックエンドによる新しいレンダリングにおいても速度が改善された
- インポート・エクスポートフィルターの改善。ハイパーリンクのある図形に対応するなど、レイアウトを崩さずに「Microsoft Office」を取り込めるように
また、ヘルプも改善されており、とくに「Microsoft Office」からの乗り換えユーザーに配慮したアップデートが行われている。ヘルプの検索には「Fuzzysort」ではなく「FlexSearch」が用いられるようになり、表計算ソフト「Calc」のヘルプページは正確性と網羅性を改善するため、Wikiにリンクする形式に改められた。
「LibreOffice 7.3 Community」はWindows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在「libreoffice.org」から無償でダウンロード可能。Windows版はWindows 7/8/10およびWindows Server 2012をサポートしており、窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。「Apple Silicon」(M1)でのネイティブ動作も可能。
なお、新しい機能よりも安定性と互換性を優先したいユーザーは「LibreOffice 7.2」の利用が推奨されている。執筆時現在の最新版は、1月初めにリリースされた「LibreOffice 7.2.5 Community」。
ソフトウェア情報
- 「LibreOffice」v7.3系統
- 【著作権者】
- LibreOffice contributors
- 【対応OS】
- Windows 7/8/10およびWindows Server 2012
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 7.3.0.3(22/02/02)