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「Cygwin 3.5」はWindows 7/8をサポートせず ~32bit対応も間もなく終了

「Cygwin 3.5」はWindows 7/8をサポートせず ~32bit対応も間もなく終了

 「MSYS2」の開発チームは4月6日、「Cygwin」のサポートOSを変更する方針を発表した。2022年末から2023年初頭にかけてリリース予定の「Cygwin 3.5」からは、「64bit版のWindows 8.1/Server 2012 R2以降」となる。

 「Cygwin」は、Windows上に擬似的なUNIX環境を構築する互換レイヤー。UNIXの標準的なAPI「POSIX」の互換機能を提供する「cygwin1.dll」を基本に、「bash」、「gcc」、「less」などのUNIXツールパッケージからなる。

 「MSYS2」も「Cygwin」をベースとしたPOSIX互換環境だが、「Cygwin」がWindowsでUNIX環境を再現することに重点を置いているのに対し、「MSYS2」は開発者にとって有用なUNIXツールをWindows上で動作させることに注力している点が異なる。パッケージの数とエミュレーションの準拠度は「Cygwin」に分があるが、使い勝手では「MSYS2」が勝る。

 執筆時現在、「Cygwin」の最新版はv3.3.4。「Cygwin 3.3」はWindows Vista/Windows Server 2008をサポートしているが、次のバージョンでこれらのOSはサポートされないことが明言されている。また、32bit環境(WOW64を含む)のサポートも、このバージョンが最後となる。ARM64環境で「Cygwin」を利用する場合は、「Cygwin 3.3」系統を使い続けることになる。

 次期バージョン「Cygwin 3.4」は、2022年内にリリースされる予定。これはWindows 7/8とWindows Server 2008 R2/2012をサポートする最後のバージョンとなる。

 まとめると、今後の「Cygwin」の対応OSは以下の通りとなる。

  • Cygwin 3.3:Windows Vista/Server 2008以降(32bit版を含む)
  • Cygwin 3.4(2022年内にリリース予定):Windows 7/Server 2008 R2以降(64bit版のみ)
  • Cygwin 3.5(2022年末から2023年初頭にかけてリリース予定):Windows 8.1/Server 2012 R2以降(64bit版のみ)

 一方、「MSYS2」の対応OSは現在、Windows 7以降となっている。しかし、これも「Cygwin 3.5」のWindows 7/8対応終了に合わせて「64bit版のWindows 8.1/Server 2012 R2以降」へ変更されるとのこと。