ニュース

「Firefox」拡張機能も「Manifest V3」対応へ ~Mozillaが開発者プレビューを発表

公式ブログ「Mozilla Add-ons Community Blog」

 Mozillaは6月8日(米国時間)、「Firefox」における「Manifest V3」(MV3)の開発者プレビューを発表した。「Manifest V3」は新しい拡張機能の仕様で、「Google Chrome」にはすでに導入済み。「Firefox」でも主要機能の多くはすでにプレビュー版で実装済みとなっており、Mozillaは開発者から広くフィードバックを募りたいとしている。

 「Firefox」のMV3対応を有効化するには、「about:config」で以下の試験フラグを変更する必要がある。

  • extensions.manifestV3.enabled:true
  • xpinstall.signatures.required:false(インストールの永続化に必要)

 MV3拡張機能のインストールは、「about:debugging」から行う。「addons.mozilla.org」(AMO)へMV3拡張機能をアップロードすることはまだできない。また、インストールを永続化するには「Nightly」または「Developer Edition」の「Firefox」が必要だ。

 「Firefox」のMV3拡張機能は、「Chrome」や「Safari」と高い互換性がある。ただし、場合によっては独自の機能が実装されることもあるとのこと。

 MV3への移行に際しては、未完成だが移行ガイドが用意されているので参照のこと。CORS、CSP、リモートコード実行などで制限が強化されており、コンテンツスクリプトのテストを行う必要があるほか、パーミッションのテスト、APIの変更や非推奨化には注意したい。

 なかでも最大のポイントは、既存のバックグラウンドページが廃止され、イベントページ(Event Pages)と呼ばれる新たな仕組みが導入されることだ。イベントページはバックグラウンドページと異なり拡張機能の開始時に読み込まれるのではなく、必要とされて初めて読み込まれる。また、リソースを削減するため、一定時間利用されないとアンロードされる。バックグラウンドページからの移行はわずかな変更で済むとのことだが、ページが永続化されていない点には配慮しなければならない。

 なお、このイベントページの仕組みは次期「Firefox」でMV2にもバックポートされるとのこと。