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無償の仮想PCソフト「VirtualBox 7.0」が公開 ~約4年ぶりのメジャーアップデート

セキュアブート、TPM 2.0をサポートしWindows 11対応も万全

「Oracle VM VirtualBox 7.0」

 米Oracleは10月10日(現地時間)、「Oracle VM VirtualBox 7.0」を公開した。メジャーバージョンが繰り上がるのは、約4年ぶりのことだ。

 「VirtualBox」は、デスクトップでx86ベースシステムの仮想マシンを複数作成・実行できるソフト。オープンソースで開発されており、Windows/Mac/Linux/Solarisが公式にサポートされている。ホストOSのUSBデバイスをゲストOS(仮想マシン)から利用したり、スクリプト言語「Python」などで「VirtualBox」をコントロールすることも可能だ。現在「download.virtualbox.org」から無償でダウンロードできる。

 メジャーアップデートとなる「VirtualBox 7.0」では、セキュアブート(Secure Boot)や仮想「TPM 1.2」「TPM 2.0」へ新たに対応。Windows 11の最小ハードウェア要件を満たした仮想マシンを作成できるようになった。DirectX 11(Windows以外のホストでは「DXVK」)に基づく新しい3Dサポートも実装されている。また、EHCIおよびXHCI USB コントローラーデバイスがオープンソース版の基本パッケージの一部として組み込まれた。

セキュアブート、「TPM 2.0」へ新たに対応

 ユーザーインターフェイス関連では、実行中の処理の進捗状況とエラーメッセージをまとめた新しい通知センターが目玉。実行中のゲストのパフォーマンス統計(CPU使用率、メモリ使用率、ディスクI/O負荷など)を一覧するユーティリティが追加されたほか、セットアップウィザードの見直し、ヘルプビューワーの導入なども行われている。

管理画面
仮想マシンの実行画面
パフォーマンス統計ツール

 そのほかにも、仮想マシンのVM構成ログや保存された状態などを完全に暗号化できるようになった(現時点ではCLIのみ)。仮想環境の録画機能で用いられるWebM形式コンテナーのオーディオフォーマットがOpusからVorbisへと変更されている。

 プラットフォーム別の改善としては、macOS版ですべてのカーネル拡張が削除された。今後はAppleが提供するハイパーバイザーと仮想ネットワークが用いられる。また、Appleシリコン搭載デバイス向けの開発者プレビューパッケージが提供される。まだ試験段階のもので、パフォーマンスに期待はできないが、正式リリースに期待したい。

ソフトウェア情報

「Oracle VM VirtualBox」Windows向けベータ版
【著作権者】
Oracle Corporation and/or its affiliates
【対応OS】
64bit版を含むWindows 8.1/10/11およびWindows Server 2012/2012 R2/2016/2016/2019/2022
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
7.0(22/10/10)