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メタバースで人材派遣……のハズが現年時点では運営や環境構築支援が中心に【CEATEC 2022】
2022年10月24日 16:46
人材派遣などを行っているパーソルマーケティングはメタバースソリューションとして、スタッフの派遣やメタバース体験、環境構築支援、運営支援、メタバース空間の提供支援を展開している。2022年4月にサービスインし、得意とする営業・販売の人材サービスからメタバース市場を狙うハズだったが、現時点では運営支援や環境構築支援への対応が増えているそうだ。
パーソルマーケティングのソリューションは、2022年時点ではゲームやライブイベントなどエンタメが中心となっているが、今後メタバースは観光や医療、教育などにも広がり、市場として成立すると見ている。SPO(セールス・プロセス・アウトソーシング)の新規部署として立ち上げたことからも勝算があるのだろう。
例えばリアルの人材派遣の現場では、営業や販売業務に長けた人材がいた場合、物理的な移動時間や地域の制限があって業務のマッチングが最適でなかったり、年齢によるさまざまな影響で就業機会の損失が生じてしまったりといった問題がある。これらの問題を今後成長が見込めるメタバース市場でカバーしていく目論見だった。デジタル機器やサービスへの抵抗の少ない世代が高年齢化する前には、一定の市場になり、業種は今後拡大していくのではないかとパーソルは見ている。
しかし、サービスを始めてみると予想に反して運営支援や環境構築支援の事案が多く、それらに対応しつつ、要望があればメタバースへの人材を派遣する状態になっているとのことだ。開発環境やツール、ベンダーの選定支援、要件定義支援、プロジェクトマネジメント、イベント・PR、運営代行が多く、企業からの相談としては『メタバースをやることになったが、何をしていいかわからない』との声がもっとも多い。人材の派遣についてはメタバース空間だけでなく、リアル空間への派遣も含まれており、機器の運用やセッティングなども含まれているほか、イベント会場でのデモ担当などの実績もあるそうだ。
またメタバース空間の提供支援は、ガイアリンクのGAIA TOWNを利用しており、こちらも相談が増えている。まずは簡易的に導入して手ごたえを感じた企業から、常設のメタバース空間の相談が舞い込むといった具合だ。『当初は人材派遣を中心に考えていたが、導入支援や場を作ることに本腰を入れている状態。最終的に就業機会を増やす結果につながるだろう』と担当者は語ってくれた。
VRゴーグルなどを利用した重機や清掃機器の遠隔操作支援は近い未来に当たり前になるだろう。またアバターで店頭に立つ未来も近い。その下準備として、パーソルマーケティングのSPOはデジタルとフィジカルのバランスがいい。テレワークの延長線上になるか、それとも異なる方向に進んでいくのか。2022年時点ではなんともいえないが、ワークスタイルとバックボーンについて、周辺技術も加味しつつ、想像を巡らせてみるといいだろう。
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