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Microsoftこそが“ガチ”のサスティナビリティ企業だ! 新ブランド「Cloud for Sustainability」をアピール【CEATEC 2022】
「HoloLens」から「Microsoft 365」へと結びつける環境データ活用のシナリオとは?
2022年10月19日 19:22
日本マイクロソフト(株)は、10月18日より開催中の最新技術の展示会「CEATEC 2022」内の「パートナーズパーク」エリアにブースを出展した。経済発展と社会課題の解決を両立する「Society 5.0」の実現へ向けた最新テクノロジーやソリューションが披露される場で、Microsoftが大々的にアピールしたのは「サスティナビリティ」への取り組みだ。
持続可能な社会の実現というと「廃棄物ゼロって本当に実現できるの?」と思われる方もいるだろうが、すでに同社は「カーボンネガティブ」を目標として掲げ、社内で使用しているコップを再利用コップにするという身近なレベルのものから、オンプレミスのアプリケーションをクラウドへ移行したり、「Microsoft Teams」を活用したハイブリッドワークといったビジネスレベルにいたるまで、社内のサスティナビリティの取り組みを加速させ、そこで得た知見を製品・サービスに反映してユーザーに提供しているという。
今回、日本マイクロソフトの担当者に「CEATEC 2022」に出展した狙いとアピールポイント、新ブランド「Microsoft Cloud for Sustainability」をはじめとしたMicrosoftのサスティナビリティへの取り組みの本気度などについて、貴重なお話を伺うことができた。本稿では「CEATEC 2022」の日本マイクロソフトブースのレポートをお届けする。
新ブランド「Microsoft Cloud for Sustainability」をアピール
今回のブースは、日本マイクロソフトのサスティナビリティの取り組みと「テクノロジーを通してどのようにサスティナビリティの課題に貢献しているか」をテーマに、包括的なショーケースを見せるブース構成となっている。
テクノロジーを使ったサスティナビリティの実現について、新ブランド「Microsoft Cloud for Sustainability」を前面にアピール。これはサービス・ソリューション群とも呼んでいるもので、今年2022年から全社的に売り出しているものだそうだ。
「Microsoft Cloud for Sustainability」は、具体的には以下の取り組みによって構成される。
- 事業活動による環境負荷の低減
- 持続可能なITインフラストラクチャの構築
- 持続可能なバリューチェーンの構築
- データインテリジェンスの統合
これらの取り組みを「Microsoft 365」や「Microsoft Azure」といったさまざまな製品やテクノロジーが下支えしているイメージだ。Microsoftが企業や組織のサスティナビリティ活動を支援している基本コンセプトともいえる。
とりわけ、新たなソリューション製品「Microsoft Sustainability Manager」は注目したいところ。これは今年6月より提供開始されたクラウドベースのSaaSソリューション製品で、環境データを取り込んで日々の電気代などからCO2の排出量を算出・分析したり、ダッシュボードでわかりやすい形として環境データを可視化できる。さらに記録・報告するだけでなく、それをこういう風にしたら温室効果ガスの排出量を減らせるといったアクションにまでつなげることができるという。
「Microsoft Sustainability Manager」は、サスティナビリティの取り組みを一貫した形で統合するプラットフォームであり、具体的なアクションへとつなげるための環境データを可視化していく製品。すなわち「Microsoft Cloud for Sustainability」が描くソリューションの1つになっている。
「HoloLens 2」の体験コーナーも用意。サスティナビリティとの関連性は?
展示ブースの一角には、MR(Mixed Reality)ヘッドセット「HoloLens 2」の体験コーナーも用意されていた。
「HoloLens 2」は、近年大きく注目される「メタバース」のプラットフォームを活用することを視野に入れたゴーグルデバイス。VR/MR分野というとゲームコンテンツのイメージが強い印象を受けるが、「HoloLens」デバイスは工場などで遠隔操作をするときに装着して、本社の担当者が間違いを指摘したり、手順を指導できたりなど、ビジネス分野での活用に可能性がある製品だという。
各作業ステップの所要時間を記録して収集しづらい人の行動データを集めたり、On the Job Training(OJT)の代わりに新しく作業に従事する人の熟練度をセルフラーニングで高めるといった、労働者人口の減少や技術・技能の継承問題など事業の継続に関するさまざまな課題を解決することを目的としている。
今回のサスティナビリティのテーマとの関連において、「HoloLens」は、移動を大幅に減らすこと(温室効果ガスの排出量自体の低減)、そして多様性を受け入れること(どんな人でもしっかり従事できることへの支援)に大きく貢献できるという。
さらにもう一歩先の話としては、工場などで「HoloLens 2」を装着すると、工場で排出されたCO2などの環境データを何かに記述、あるいはレポーティングしなくても、ゴーグルデバイスを通して環境データを集めることが可能となる。現状のサスティナビリティへの取り組みにおいて、環境データをどうやって取り込むのかが大きな課題であり、そこに対してのソリューションを提供するのが「HoloLens」デバイスではないかと期待をしているとのこと。
Microsoftこそサスティナビリティに本気で取り組んでいる
今回のブーステーマは「CEATEC」の全体テーマに合わせたものであると共に、2030年までに実現するとして「カーボンネガティブ」をすでに世界的に推し進めてきたMicrosoftこそが サスティナビリティに本気で取り組んでいること を大きく発信・アピールしたい狙いがあるという。
環境データというと、レポート・収集するだけになりがちなのが現状だ。そうした中で、Microsoftの強みは、さまざまなハードウェアを持っている、AIもIoTもクラウドもある、もちろん「Excel」や「PowerPoint」をはじめとする「Microsoft 365」もある、といったポートフォリオの広さだという。サスティナビリティも同様にいろんな製品であったり、さまざまな業界やニーズがある分野。Microsoftだからこそできるサスティナビリティの取り組みはたくさんあると考えているとのこと。
上述の「HoloLens」もその1つであり、「HoloLens」からデータを取り込んで、「Microsoft Sustainability Manager」で分析・可視化、そして「Microsoft Teams」で共有して具体的なアクションにつなげていく。こうした一連のソリューションシナリオの提示が可能なのだということも、Microsoftに期待してほしい点であると強調する。
これは「Microsoft Cloud for Sustainability」を構成する一要素として「Microsoft 365」がある点もポイント。サスティナビリティの取り組みを、いかに普段使っている製品に落とし込んでいくかがこの活動にとって重要なのだという。よくわからないデータをレポーティングされても実際には活用されない。それはすなわちエンドユーザーの意識向上にもつながらず、具体的なアクションにもつながらない。
各ユーザーが抱くサスティナビリティへの意識の高さ・低さに関係なく、サスティナビリティへの取り組みをどのように「あたりまえ」にしていくかの課題に、Office製品を有するMicrosoftの果たす役割は非常に大きいと考えていると締めくくった。
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