ニュース

二要素認証のコードを通知トーストからサクッとコピー ~Dev版Windows 11 Build 25295

新しいコマーシャルポリシーも導入

「Windows 11 Insider Preview」Build 25295(rs_prerelease)がDevチャネルでリリース

 米Microsoftは2月9日(現地時間)、Windows 11の最新プレビュー版「Windows 11 Insider Preview」Build 25295(rs_prerelease)を公開した。「Windows Insider Preview Program」のDevチャネルに参加しているユーザーは、「Windows Update」からアップグレード可能。

 Build 25295では、新しいコマーシャルポリシーが導入された。

 「Windows 10 バージョン 1909」以降のOSでは「イネーブルメントパッケージ」(EKB)と呼ばれる仕組みが導入されており、毎月の累積的更新プログラム(LCU)で新機能を追加しつつも、EKBで有効化(=OSのバージョンアップ)しない限り表に現れないようになっている。これは継続的なOSの機能改善と保守的な運用を両立するための仕組みだが、IT管理者にはおおむね好意的に受け入れられており、Windows 10の機能アップデートなどで活用されている。EKBによるOSのバージョンアップにかかる時間は、毎月の「Windows Update」とほぼ変わらない。

 一方、Windows 11でも毎月のLCU提供(サービシング)による新機能の追加は行われているが、複数のデバイスを一括管理している組織ではこれらの新機能は既定ですべて無効化されている。今回導入されたポリシーは、これを管理者側で新機能のON/OFFをコントロールするためのものだ。

 このコマーシャルポリシーは2023年2月のCリリースで「Windows 11 バージョン 22H2」にも導入される見込み。

新しいコマーシャルポリシーが導入

 そのほかにも、二要素認証(2FA)で送られてきた一時コードを通知トーストから直接クリップボードへコピーできるようになった。

二要素認証(2FA)で送られてきた一時コードを通知トーストから直接クリップボードへコピー

 また、Build 25252からロールアウトされているタスクバーの新しい検索エクスペリエンスがすべてのDevチャネルテスターに解放された。「設定」アプリの[個人用設定]-[タスクバー]セクションで検索アイコン・ボックスのスタイルを変更することもできる。

タスクバーの新しい検索エクスペリエンス

 「Windows Insider Preview Program」は、製品としてリリースされる前のプレビュー版のOSを試すことのできるパイロットプログラム。複数の開発チャネルがあるが、なかでもDev版はもっとも開発初期にあたるものだ。ここで試される機能はあくまでも実験的なもので、製品版に導入されるとは限らない。

 なお、Devチャネルのビルドは比較的不安定なので、利用の際は注意。代表的な既知の問題は、以下の通りとなっている。

  • 【追加】Build 25247で導入されたタスクバーの時計を「秒」単位表示にする機能が消える。新しいビルドで解決される見込み
  • 【新規】一部のAAD(Azure Active Directory)参加ユーザーが最新ビルドへアップデートすると、Windowsにサインインするときに「Getting ready for you」画面が表示される。現在調査中
  • 【新規】一部の環境で統合Windows認証を必要とする企業サイトへログインできない。将来のアップデートで解決予定
  • グループ ポリシー エディターを起動すると「displayName」属性が見つからないというエラーが表示されることがある
  • 一部のArm64デバイスで「Windows Hello」の顔認識でサインインできないことがある。PINは利用可能
  • Build 25290へ更新すると「GetKnownFolder API」を使用するアプリがクラッシュする。「combase.dll」が原因で、「メモ帳」や「Windows Terminal」などを含むアプリでIMEを使う場合に影響。現在修正中
  • Windows 回復環境(WinRE)の使用中、またはBuild 25290のクリーンインストール中にレンダリング問題が発生し、プロセスの継続が困難に。最新版のISOイメージファイルの利用を

 Build 25284以降をインストールすると、バグチェック(BSoD)が頻発する問題などは解決されたとのこと。