Microsoft、「Bing Chat Enterprise」を発表 ～業務にもAIチャットのパワーを

Microsoft、「Bing Chat Enterprise」を発表

　米Microsoftは7月18日（現地時間、以下同）、「Bing Chat Enterprise」を発表した。「Bing」のAIチャットに企業データ保護を加え、業務用途に利用できるようにしたものだ。

　「Bing Chat Enterprise」は同日からプレビュー版として提供され、以下のプランで追加コストなしに利用できるようになる。1ユーザーあたり月額5ドルでスタンドアロンプランも提供される予定。

• Microsoft 365 E3
• Microsoft 365 E5
• Microsoft 365 Business Standard
• Microsoft 365 Business Premium

　ただし、現在のところ既定では無効。有効化するには管理コントロールで明示的に有効化しなければならない。実際に設定が反映されるまでには、2～4時間ほどかかる場合がある。

管理コントロールでオプトイン

　なお、2023年8月17日には既定で有効化されるため、この操作は不要となる見込み。逆に、組織で「Bing Chat Enterprise」を展開したくない場合は、手動で無効化する必要がある。

　「Bing Chat Enterprise」を有効化し、「Microsoft Entra ID」（旧：Azure Active Directory）でログインした状態で「Bing」のAIチャットにアクセスすると、通常版とは異なる専用のデザインとなる。また、チャットの入力ボックスやチャット回答の上には「個人と会社のデータが保護される」という旨のメッセージが表示されるようになる。AIと交わされた会話の内容は組織の外部に漏れることはなく、Microsoftもチャットデータに直接アクセスすることはできない。AIモデルの学習に用いられることもない。

「Bing Chat Enterprise」のデザイン

チャットの入力ボックスやチャット回答の上には「個人と会社のデータが保護される」という旨のメッセージが表示される

　なお、「Bing Chat Enterprise」のWebアクセスには「Microsoft Edge」が必要。将来的にはサードパーティー製のWebブラウザーでも利用できるようになる。

　また、「Bing Chat Enterprise」は「Microsoft Edge」のサイドバーからも利用可能（v114.0.1823.86以降）。いずれは「Windows Copilot」でもサポートされる。

「Microsoft Edge」のサイドバーからも利用可能。「Windows Copilot」でもサポートされる予定