やじうまの杜
OSに統合されたAIチャット機能「Windows Copilot」のファーストインプレッション
可能性は感じるものの、開発はまだ始まったばかり
2023年7月3日 16:45
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「Windows 11 Insider Preview」Build 23493(Dev)で「Windows Copilot」のプレビューが開始されたので、さっそく試してみました。
なお、この機能は一部環境からロールアウトされているとのこと。そのため、すべてのユーザーが利用できるとは限らないので注意してください。編集部でもアップグレード直後は利用できませんでしたが、OSを再起動するとタスクバーに「Windows Copilot」のアイコンが現れました。Devチャネルなのに「Windows Copilot」が使えなくて悲しい思いをされている方は、OSの再起動も試してください。
さて、「Windows Copilot」は、WindowsのデスクトップでAIチャットと対話できるようにした機能です。タスクバーの「Windows Copilot」アイコンをクリックするとデスクトップ右側にサイドパネルが現れ、そこで「Bing」ベースのAIチャットが利用できます。サイドパネルは[Window]+[C]キーで開閉することも可能。開いたときはチャットのテキストボックスにちゃんとフォーカスが当たるため、すぐに質問を入力することができます。
同様の機能は「Microsoft Edge」にもあり、サイドバーから「Bing」のAIチャットにアクセスできますが、それをデスクトップに移設し、どのアプリとでも共存できるようにしたものが「Windows Copilot」といえるでしょう。その点、現在「Edge」でテスト中の「スタンドアロンサイドバー」にも少し役割が重複しそうです。
AIチャットの機能も基本的に共通で、質問の答えを得たり、簡単なテキスト加工をお願いしたり、絵を描いてもらったり、詩を作ってもらうことができます。「Bing」や「Edge」ですでにAIチャットを使いこなしているのであれば、とくに違和感なく移行できるでしょう。
筆者は「Edge」のサイドバーは無効化し、「Windows Copilot」だけを使うことにしました。「Edge」右上にあった「b」アイコンがなくなってスッキリしますし、「Windows Copilot」の設定画面で「Edge」のアクティブタブへのアクセスを許可すれば、「Edge」で閲覧中のページを要約するのも「Windows Copilot」で行えます。
両者で決定的に異なる点としては、「Windows Copilot」で一部の設定変更がサポートされる点が挙げられます。執筆時現在、以下の3つの設定が利用できるとのこと。
- ダークモードへ切り替える(逆も可能)
- 応答不可モード(Do Not Disturb)にする
- スクリーンショットを撮る
これらを「Windows Copilot」に依頼すると確認のメッセージが表示され、[はい]ボタンを押すと設定の変更が実施されます。
これ以外の設定にも「Windows Copilot」からアクセスできないか試してみたのですが、「Bing」が一般的な回答を示してくれるだけでした。以下のアクションもあれば便利かなと思うのですが、今のところは対応していないようです。
- 指定したファイルを開く
- 指定したアプリを起動する
- クリップボードへアクセスする
- 回答をファイルに保存する
この辺りは既存機能への影響やセキュリティ、プライバシー保護なども考慮しながら、段階的に実装されていくことになるのではないでしょうか。
「Windows Copilot」は可能性を感じさせる機能ですが、まだプレビュー版ということもあり、AIチャットについて言うことはあまりありません。今後の改善次第といえるでしょう。ただ、「Microsoft 365 Copilot」が利用できる法人環境では、かなりの生産性向上が見込めるのではないかと感じました。
使い勝手に関しても、[Window]+[C]キーで手軽に開閉できるのは好印象です。ただ、「Windows Copilot」サイドパネルを開くたびにウィンドウの位置が変わったり、サイズが変更されてしまう点は気になる人もいるかもしれません。
「Windows Copilot」のサイドパネルはデスクトップ右側に ドッキング し、デスクトップを占有します。つまり、サイドパネルの分だけデスクトップは狭くなり、アプリウィンドウがサイドパネルにかぶさっていれば、重ならないように移動されます。サイドパネルを閉じても、アプリウィンドウの位置は復元されません。デスクトップ領域が変わるときにちょっとしたラグもあり、一時的にパネルが現れる フローティング モードがほしいと感じるユーザーもいるのではないでしょうか。
ちなみに、「Windows Copilot」はアカウントなしでも利用可能。つまり、ローカルアカウントでWindowsを使っていても問題なく動作します。ただし、アカウント連携させていたほうが会話のターン数などが延びます(5→30)。「Microsoft 365 Copilot」をはじめ、今後はアカウントありを前提とした機能が増える可能性もあり、基本的にはサインインして利用することになりそうです。