やじうまの杜

ベータ版「Photoshop」の魔法「ジェネレーティブ塗りつぶし」は商用不可なので注意

もうちょっと待とう

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ベータ版「Photoshop」でテストされている「ジェネレーティブ塗りつぶし」

 ベータ版「Photoshop」でテストされている「ジェネレーティブ塗りつぶし」(生成塗りつぶし)は、言葉でオブジェクトを書き足したり、背景を補ってアスペクト比を変えたり、不要なオブジェクトを消したりできる、まるで魔法のような機能です。今のところ呪文を英語で唱えなければならないのは難点ですが、大きな可能性を感じる機能で、ぜひ皆さんにも試していただきたいと思います。

 しかし、一つ注意点が。「ジェネレーティブ塗りつぶし」は今のところ商用が許可されていません。

 日本語のヘルプページには記載がないようですが、英語に切り替えると以下のように記述されています。

Commercial use: You can create confidently, as Adobe Firefly is trained on Adobe Stock’s hundreds of millions of professional-grade licensed, high-resolution images, which helps ensure Adobe Firefly won’t generate content based on other people’s work, brands, or intellectual property. Content generated by Adobe Firefly in the Photoshop (beta) app is not permitted for commercial use. Commercial use will be allowed for content generated when Generative Fill is out of beta, which is expected later this year.

「Photoshop User Guide」(英語版)より引用

商用利用:「Adobe Firefly」は、「Adobe Stock」の何億ものプロフェッショナルグレードのライセンスされた高解像度画像に基づいてトレーニングされているため、安心して画像を生成できます。「Adobe Firefly」が他人の作品、ブランド、知的財産に基づいてコンテンツを生成することはありません。「Photoshop」(ベータ版)アプリで「Adobe Firefly」が生成したコンテンツは、商用利用は許可されていません。今年後半に予定されている「ジェネレーティブ塗りつぶし」(Generative Fill)のベータ版終了時には、生成されたコンテンツの商用利用が許可される予定です。

【日本語訳】

英語のヘルプページ

 「ジェネレーティブ塗りつぶし」では内部で生成AI「Adobe Firefly」が利用されていますが、「Adobe Firefly」は安全に商業目的での利用が行えるように設計されています。知的財産の補償も受けられるというのですから、自信のほどがうかがえます。

 そのため、「ジェネレーティブ塗りつぶし」も商業利用が可能ではないかと思われがちですが、今のところはダメです。

 とはいえ、これはベータ版だけの話のようで、正式版では商用が許可されるとのこと。正式リリースは今年後半とされており、もう少しだけ待つ必要があります。

 そのほかにも、「ジェネレーティブ塗りつぶし」は中国本土では利用できないので注意。RGB 8/16ビット以外のドキュメントでも無効です。

 また、18歳以上でないと利用できず、コマンドがグレーアウトされてしまいます。成人なのに利用できない場合は「Adobe アカウント」の設定を見直してみましょう。