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Adobeの生成AI「Adobe Firefly」が一般提供開始 ~生成クレジット制を導入、ついに商用利用も可能に
新たなWebアプリ「Adobe Firefly web版」として利用可能
2023年9月14日 09:00
米Adobeは9月13日(現地時間)、同社の生成AI「Adobe Firefly」の一般提供を開始した。約6カ月間のベータ版での提供を経て、新たなWebアプリ「Adobe Firefly web版」として利用可能で、商用利用も可能になった。同日より「Adobe Creative Cloud」のコンプリートプラン、および一部の単体プランには、「Adobe Firefly web版」と「Adobe Express」のプレミアムプラン(有料)が含まれる。
また、Adobe Photoshopの「生成塗りつぶし」および「生成拡張」、Adobe Illustratorの「生成再配色」、Adobe Expressの「テキストから画像生成」や「テキスト効果」など、Adobe Firefly搭載機能もベータ版を終了し、「Adobe Creative Cloud」にネイティブ統合・正式実装された。今後も同社は、より多くのAdobe Creative Cloud製品やワークフローにAdobe Firefly機能を搭載していくとしている。
「Adobe Firefly」による新しい画像生成ワークフローを採用した全ての製品に対しては「生成クレジット」を導入。生成クレジットとは、テキストベースのプロンプト入力により、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe Express、Adobe Firefly上で、画像やベクター作品を生成するためのもので、Adobe Firefly、Adobe Expressのプレミアムプラン、Adobe Creative Cloudの有料プランが対象に含まれる。
各プランごとに定められた生成クレジットの利用上限に達した場合でも、処理速度が低下した状態で画像やテキスト効果の生成をし続けるか、あるいは生成クレジット サブスクリプションパックを追加することで、継続してAdobe Fireflyの機能を快適に使用することができる。11月以降、ユーザーが追加の生成クレジットを購入可能になる予定。
また、Adobe Creative Cloud、Adobe Express、Adobe Fireflyの、無料版のユーザーにも毎月生成クレジットが付与される。こちらでは各プランの月ごとの上限に達した場合、ユーザーは有料プラン(月額680円)にアップグレードしてAdobe Firefly機能を使ったアセット作成を継続するか、あるいは翌月にクレジットがリセットされるまで待つか、選択する形となる。
Adobe Fireflyで生成したコンテンツには「コンテンツクレデンシャル機能」が含まれている。これはコンテンツの名前・日付・作成に使われたツールなどの情報、および加えられた編集の内容を示し、デジタルコンテンツの「成分表示ラベル」の役割を果たす。
さらに今後のAdobe Fireflyモデルでは、同社やその他の企業が提供するさまざまなアセット、テクノロジー、トレーニングデータを活用する予定。他のモデルが実装される場合でも、Adobeは潜在的に望ましくないバイアスに対し、優先的に対処していくとしている。
なお、今回の一般提供に伴い、「Adobe Expressエンタープライズ版」と「Adobe GenStudio」を含む「Adobe Fireflyエンタープライズ版」の一般提供も開始された。エンタープライズ版では、ほとんどのAdobe Fireflyを利用したワークフローで生成されたコンテンツに対する知的財産(IP)補償の機会を企業に提供するとのこと。