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「Microsoft Word」が40歳に ~激変するIT環境に合わせて変わり続けてきた歴史

「Word Pro」「WordPerfect」としのぎを削る時代からオンライン、クラウド、AIの時代へ

「Microsoft Word」が40歳に

 「Microsoft Word」が、40周年を迎えたとのこと。米国時間10月26日、これまでの歩みを振り返る記事が公式ブログで公開されている。

 「Word」が初めてリリースされたのは、1983年のこと。ちょうど「Apple Lisa」が6,000米ドルで発売された年で、IBM PCは1981年に登場したばかり。当時はパーソナルコンピューター(PC)の黎明期ともいえる時代で、技術革新の目まぐるしい、ある種の黄金時代だった。ワープロソフトにおいても「Word」のほか、「Word Pro」や「WordPerfect」といったライバルたちがしのぎを削っていた。

 もはや「Word Pro」や「WordPerfect」の名前を耳にすることがなくなって久しく、今やライバルはオンライン生まれの「Google ドキュメント」と言える。「Word」はいまだにネイティブアプリのイメージが強いが、オンライン版の「Word for the Web」も著しい成長を遂げており、Web上でドキュメントを作成・編集し、クラウドストレージ「OneDrive」で同期・共有したり、他のユーザーと共同編集するのもすっかり当たり前になった。

 同社は今後、AI技術「Copilot」の統合などに力を入れるとのこと。生成AIにドキュメントを書いてもらったり、手直しをしてもらうことも、いずれ当たり前になっていくだろう。

 また、最近のMicrosoftは「Word」の古い仕様を見直し、積極的に改善していく姿勢も見せている。

 たとえば「Word」はその長い歴史ゆえにキーボードショートカットが業界標準から乖離しているものが少なくなく、ユーザーから使いにくいとの声が寄せられていた。そこで、テキストを書式なし(プレーンテキスト)として貼り付ける[Ctrl]+[Shift]+[V]キーの導入に伴い、これに関連するキーボードショートカットが大きく変更された。ドキュメントの拡大・縮小ショートカットキーを追加する際も同様の破壊的変更が行われているが、互換性の維持に重きを置く傾向の強いMicrosoftにしては珍しい取り組みといえるだろう。

 古くも新しい「Word」がこれからどのように変わっていくのか、目が離せない。