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Windows 11の「フォト」に背景の除去・置換機能が実装へ ~そのほかにも多くの改善

写真の閲覧を妨げていた「フィルムストリップ」も見直し

Windows 11の「フォト」アプリに背景の除去・置換機能

 米Microsoftは11月17日(現地時間)、Windows 11に標準搭載されている「フォト」アプリのアップデートを発表した。待望の背景除去機能をはじめ、さまざまな新要素が導入されている。

背景の削除と置換

 「フォト」アプリには不要オブジェクトの除去背景ぼかしといった機能が備わっているが、意外なことに背景を削除する機能はまだ搭載されていなかった。今回のアップデートでは、ようやくそれが追加された格好だ。

Windows 11の「フォト」アプリに背景の除去・置換機能

 この機能は背景ぼかしと統合されており、サイドバーのビジュアルコマンドでぼかし・削除・置換を選ぶ仕組みになっている。置換を選ぶとカラーピッカーが現れ、パレットをクリックするか、16進カラーコードを入力してRGB値を指定すると、その色で背景が置き換えられる。できあがった写真はファイルとして保存するだけでなく、クリップボードへコピーすることが可能。他のペイントツールとの連携も行える。

背景を好みの色に置き換え。できあがった写真はクリップボードへコピーすることも

フィルムストリップ

 「フォト」アプリのビューワー画面下には「フィルムストリップ」と呼ばれるツールバーがオーバーレイ表示され、同じフォルダーにある他の写真へすばやくアクセスできるようになっている。「フィルムストリップ」で複数の写真を選べば、それらを1つのウィンドウに並べて表示できるので、比較やチェックも簡単だ。

 しかし、この「フィルムストリップ」があると写真の閲覧に邪魔だという声も多く寄せられていたようだ。

 今回のアップデートでは「フィルムストリップ」のデザインが見直され、初期状態では「フィルムストリップ」が無効化されるようになった。画面左下のアイコンや[F]キーでON/OFFできる。

 また、「フィルムストリップ」は写真の下に固定表示されるようになった。バーからファイルがあふれる場合は、横スクロールバーが表示される。

デザインが見直された「フィルムストリップ」

タイムラインスクロールバー

 「フォト」アプリの[すべての写真]ビューには「タイムラインスクロールバー」が備わっており、指定した日時に撮影された写真へすばやくアクセスできる。過去に遡っているかのような感覚も楽しく、一定の人気があるようで、Windows 11の新しい「エクスプローラー」に新設された「ギャラリー」(Gallery)にも投入されている。

 今回のアップデートでは、このタイムラインスクロールバーが[すべての写真]ビュー以外のフォルダービューにも追加された。「ペットの写真だけを集めたフォルダー」などでも利用できるのはうれしい改善といえる。

「タイムラインスクロールバー」は[すべての写真]ビュー以外にも展開

個別の写真を共有

 さらに、「OneDrive」にバックアップされた写真限定だが、共有リンクを生成・コピーするコマンドが右クリックメニューに追加された。他のユーザーやデバイスへ写真を送りたい場合は、このコマンドが役立つだろう。

「OneDrive」共有リンクを取得する右クリックメニューコマンド

そのほかの改善

 そのほかにも、以下の改善が導入されているとのこと。

  • 単体ファイルの閲覧時、ツールバーに[印刷]ボタンを追加。リサイズツールで7:5のアスペクト比を提供し、写真の印刷を簡単に
  • スライドショー機能、タブ間のナビゲーション、画像を開くといった処理でパフォーマンスと安定性を改善

 これらの新機能と修正は、「フォト」アプリをv2023.11110.8002.0およびそれ以降にアップデートすると利用できる。編集部ではまだ配信が確認できていないが、プレビュー版「Windows 11」の一部環境から順次提供されるものと思われる。