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「Google Chrome」にも3つの生成AI機能が導入へ……ただし、今のところ米国のみ
タブの管理、テーマの作成、テキストの下書きに機械学習技術の成果を
2024年1月24日 08:55
米Googleは1月23日(現地時間)、最新の機械学習技術を「Google Chrome」に導入すると発表した。同日リリースされた「Chrome 121」より、実験的な生成AIを用いた機能が3つ追加される。
タブをスマートに整理
「Chrome」には数年前より「タブ グループ」と呼ばれる機能が実装されており、用途や目的に応じて複数のタブをひとまとめにし、タブバーをコンパクトに保つことができる。とはいえ、これを適切に運用するのは一苦労だ。
そこで、新しい「Chrome」にAIベースのタブオーガナイザーが導入され、開いているタブに対してグループ化を提案してくれるようになった。旅行の計画、調べ物、ショッピングといったようにタブを自動で分けてくれるので、ついつい大量のタブを開きっぱなしにして混乱してしまうといったユーザーにはありがたい。
この機能を利用するには、画面左上のドロップダウンをクリックし、[Organize Similar Tabs](類似タブを整理)コマンドへアクセスする。当該コマンドは、タブの右クリックメニューからもアクセス可能。「Chrome」が提案するグループ名には絵文字も含まれているので、必要なときに一目で見つけられるだろう。
独自のテーマを作成
同社は昨年、「Android 14」と「Pixel 8」デバイスで生成AI壁紙を導入したが、それと似たような仕組みが「Chrome」にも導入される。AIプロンプト(命令文)の書き方に慣れていなくても、ユーザーが選んだベーステーマ、ムード、ビジュアルスタイル、カラーなどを参考に、AIがカスタムテーマをすばやく作成してくれるので安心だ。
具体的には、昨年導入されたビジュアルカスタマイズ機能にAIによる生成コマンドを追加する形で実装されるようだ。もちろん、自分がアップロードした写真やストアのコレクションから引き続きテーマを選ぶこともできる。
下書きのお手伝い
ネット上で畏まったメールを書いたり、不具合を報告したり、フォーラムに投稿するのが苦手だというユーザーは少なくないだろう。しかし、その叩き台をAIが自動で作成してくれるならば、ユーザーがちょっと手直しするだけで文章が完成するため、かなり気が楽になるのではないだろうか。
来月の「Chrome」リリースでは、そうした執筆補助を行うAIが実験的に導入されるとのこと。テキストボックスやフィールドを右クリックし、[Help me write](執筆を助ける)メニューを選び、単語をいくつか入力すると、それをもとにAIがユーザーに代わって文章を下書きしてくれる。
可用性と制限事項
なお、これらの機能はまず米国で展開される。日本への導入は今のところ未定だ。
また、利用の際は「Google アカウント」で「Chrome」にログインする必要がある(ちなみに「Edge」のAI機能はログイン不要で利用可能)。初期状態では無効化となっており、ユーザーが許可しないと有効にはならない。
開発初期段階の機能であるという理由で企業や教育機関で管理されたデバイスでは利用できないが、この制限は間もなく解除される見込みだ。