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「Python in Excel」が一般公開 ~「Copilot」にコードを書いてもらう機能もテスト開始
1年以上のテストを経て正式機能に
2024年9月17日 07:40
米Microsoftは9月16日(現地時間)、「Python in Excel」の一般公開(GA)を発表した。昨年8月からパブリックプレビューとしてテストが続けられていたが、ようやく正式な機能として提供されることになった。
「Python in Excel」は、スクリプト言語「Python」を「Microsoft Excel」で利用できるようにする機能。インデントベースでコンパクトに記述できる「Python」は数値計算や統計分析、機械学習の分野でも幅広く用いられており、ライブラリも豊富だ。ビジネスアナリティクス分野のデファクトアプリといえる「Excel」と組み合わせれば、その恩恵は計り知れない。そのため以前から要望が多く寄せられていたが、それがようやく実現した格好だ。
Pythonコードの埋め込みは、新設の「PY」関数で行う。計算処理はエンタープライズ レベルのセキュリティを備えた「Microsoft Cloud」のコンテナーで実行され、Excelブックを閉じたりタイムアウトが発生すると自動で破棄される。ユーザーデータはコンテナーで厳重に他と隔離され、計算完了後も「Microsoft Cloud」に保持されたり、共有・再利用されることはない。
また、「Python in Excel」は「Anaconda」ディストリビューションを採用しており、人気のあるPythonライブラリを安全にロードできるようになっている。そのため、「Excel」単体では手間のかかる数値処理も簡単に行えるうえ、統計処理や機械学習などの活用も容易だ。「LAMBDA」(ラムダ)などの「Excel」新関数と連携させることもできるので、「Python」でやった方が早い作業だけ「PY」関数で行い、あとは「Excel」関数で処理するといったことも可能だ。
そのほかにも、同社は「Excel」のサイドパネルにビルトインできるコードエディター「Python Editor」を提供中。「Python in Excel」のコードを生成AI「Copilot」に書いてもらう「Copilot in Excel with Python」も同日よりパブリックプレビューする。今後も「Excel」と「Python」の連携が進むことに期待したい。
「Python in Excel」は現在、「Microsoft 365」のBusiness/Enterpriseサブスクリプションで提供中。「最新」(Current)チャネルのWindows版「バージョン 2407」(Build 17830.20128)でロールアウトされている。Family/PersonalおよびEducationサブスクリプションはまだプレビューという扱いのようだ。Windows以外のプラットフォーム(macOS、iOS、iPadOS、Android)ではまだ利用できない点にも注意したい。
また、「Microsoft 365」サブスクリプションでは自動計算モード、スタンダードコンピューティングのみが利用可能。追加で「Python in Excel」アドオンを購入すると、自動以外の計算モード、より高速なプレミアムコンピューティングなどが利用できるようになる。価格は1ユーザーあたり月額24米ドル、年額240米ドル。