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統合開発環境「IntelliJ IDEA 2025.3」が公開 ~無償版と有償版が1つのインストーラーに

「Java 25」「Spring Boot 4」などに対応、生産性機能とAI機能も強化

無償版と有償版が1つのインストーラーに

 チェコのJetBrainsは12月8日(現地時間)、統合開発環境「IntelliJ IDEA 2025.3」をリリースした。生産性の向上、新技術への対応、AI機能の強化、安定性とパフォーマンスの改善が行われている。

 「IntelliJ IDEA」は、Javaアプリを開発するための統合開発環境。プラグインを追加することで、Java以外のプログラミング言語にも広く対応する。日本語へのローカライズも行われており、「Visual Studio」に匹敵する生産性の高さから多くのアプリ開発者の支持を集めており、Androidアプリの開発環境「Android Studio」のベースとしても利用されている。

Javaアプリを開発するための統合開発環境。「Kotlin」「Groovy」などにも対応、プラグインで対応言語を増やせる
開発環境の画面。本バージョンより島(Islands)テーマが既定に

 最新版の「IntelliJ IDEA 2025.3」では、オープンソースで提供されているコミュニティ向けの無償版「Community Edition」と、商用が可能な有償版「Ultimate」が1つに統合。単体のインストーラーで配布されるようになり、事前にエディションを選ぶ必要はなくなった。

 これまで「Community Edition」で提供されていた無償機能は、引き続き無償で利用可能。それどころか、本バージョンではテンプレートエンジン(「Spring」、「Jakarta EE」、「Thymeleaf」など)対応の基本的な構文ハイライト、「Spring Boot」プロジェクトウィザード、データベース接続の作成と構成、データベーススキーマおよびオブジェクトビューアー、SQL言語の完全サポートなども無償で使えるようになった。

 インストール直後は「Ultimate」の試用版として利用可能で、30日の試用期間が終わっても購入手続きをしなければ、そのまま「Community Edition」として利用を継続できる。「Community Edition」から「Ultimate」へ切り替える際も、IDEの再インストールは不要だ。初めから完全なオープンソース版が必要な場合は、「GitHub」のコードをビルドして利用すればよい。

 そのほかのおもな新要素は、以下の通り。

  • 生産性の改善
    ・コマンド補完
    ・「Spring Debugger」の改善
    ・島(Islands)テーマが既定に
  • 新技術への対応
    ・「Spring Boot 4」と「Spring Framework 7」
    「Java 25」
    ・「Spring Data JDBC」
    ・「Vitest 4」
  • AI機能の強化
    ・「Junie」と「Claude Agent」へのネイティブ対応
    ・AIクオータの透明性改善
    ・APIキーを自分で登録する「Bring Your Own Key」(間もなく対応)

 また、多くの不具合も修正されている。

 「IntelliJ IDEA」は現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。IDE内から直接アップデートしたり、同社のIDEを管理する「Toolbox」アプリで更新したりすることもできる。有償版の「IntelliJ IDEA Ultimate」は個人利用の場合で年額27,860円(初年度、以降割引あり)など。