小学一年生の手書き文字がベースの無償日本語フォント「全児童フォント フェルトペン教漢版」

「全児童フォント フェルトペン教漢版」v1.00

　「全児童フォント フェルトペン教漢版」は、小学一年生の手書き文字をベースに制作された日本語フォント。ひらがな・カタカナ・英数字・記号に加え、小学校で習う教育漢字（1,006文字）などを収録したOpenType/TrueTypeフォントで、作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。

　「全児童フォント」は、小学一年生の児童が実際に書いたという文字をフォント化したもの。作者は「たぬき油性マジック」や「ようじょふぉんと」でお馴染みのたぬき侍氏だ。幼い女の子の拙い文字を再現した「ようじょふぉんと」とコンセプトは似ているが、“実際に書いた”文字がベースになっているのが大きな違いとなるだろうか。

　さすがに小学一年生というだけあって、「ようじょふぉんと」のように、ひらがなが左右反転してしまうといったミスはないが、書き始めは勢いよく大きいのに、だんだんスペースがなくなってこじんまり、弱々しくなるアンバランスなところや、曲線にすべきところがガッツリとした直線で書かれている“金釘流”なところはいかにも小学一年生といった印象を与える。しかし、慣れないながら“頑張って書いた”という雰囲気もあり、下手ながらほほえましさを感じさせる書体だ。演出を工夫すれば、ホラー風味に使うこともできるだろう。

　ちなみに、現在利用できるのは“フェルトペン”のみだが、将来的には“鉛筆”や“チョーク”、“クレヨン”バージョンのリリースも予定しているとのこと。字を書かされる小学一年生は大変かもしれないが、今後の展開にも期待したい。

　なお、本フォントには教育漢字以外の難しい漢字も実は収録されているが、漏れなく“う○こ”……ではなく、“黒いソフトクリーム”が上書きされてしまっている。これはこれでイタズラ好きな小学生らしく、なかなか味があるが、フォーマルな場での利用は到底お勧めできない。代わりに、JIS第一水準・JIS第二水準の漢字とIBM拡張漢字（6,700文字以上）を網羅した有料版「全児童フォント」（税込み1,410円）の利用をお勧めする。