レビュー

動画に映った人物の動きで3Dモデルを動かせる! お手軽モーションキャプチャーツール

ファイルをアップロードするだけでMMDモーションが作れる「Metive」

「Metive」

 アニメーションの制作というと、専用の機器やソフトウェア、そして高度な技術が必要というイメージがあります。特にモーションキャプチャーとなると、高価な機材や専門的な知識が必要で、個人のクリエイターにとってはハードルが高い作業です。

 そんな中で登場したのが、Webブラウザー上で動作するAIモーションキャプチャーサービス「Metive」です。韓国の学生3人によって開発されたこのサービスは、特別な機器を必要とせず、動画をアップロードするだけでアニメーションデータを生成できる画期的なツールです。

ログイン直後の「Metive」の画面

 Metiveの最大の特徴は、その使いやすさです。従来のモーションキャプチャーでは、専用の撮影スタジオや特殊なスーツ、複雑なソフトウェアの操作が必要でした。しかし「Metive」では、撮影した動画をブラウザ上にドロップするだけで、AIが自動的にモーションを解析し、アニメーションデータを生成してくれます。

 生成されたモーションデータはMMD形式(VMDファイル)でダウンロードできますし、「Metive」上にPMXファイルをアップロードすれば簡単に適用できます。

 今回は、下記の動画を使いアニメーションを作ってみました。

 Google アカウントを使ってログインすると3Dモデリングツール風の画面が表示されるので[ファイル]メニューから[インポート]を選択し、動画ファイルをアップロードします。次に、[インスペクター]ペインの[AIモーションキャプチャー]タブにある[アップロードされたビデオ]エリアでアップロードした動画を選択し、[選択されたビデオ情報]エリアの[AIモーションキャプチャーを実行]ボタンを押しましょう。

 あとは、ポップアップ上でプレビューを見ながら動きをキャプチャーしたいシーンの開始秒と終了秒などを選択し、ポップアップ上の[AIモーションキャプチャーを実行]ボタンを押せば自動でモーションデータが作られます。

動画ファイルをアップロードして[AIモーションキャプチャーを実行]ボタンを押します

 このモーションデータはすぐにダウンロードできるほか、MikuMikuDanceモデル(PMX/PMD形式)をインポートすればブラウザー上でそのモデルにアニメーションを適用することができます。

 なお、そのままでは「VRoid Studio」などで出力されたVRM形式のアバターには対応していないのですが、「Vroid2Pmx」といったツールなどを利用すると、モデルをPMX形式に変換できます。

PMX形式に変換したアバターをインポートしました

 今回は実際に、私が使用しているアバターをPMXファイルに変換し、踊ってもらいました。その様子は下記の動画からご覧ください。

「Metive」で取得したモーションで踊ってみた - 窓の杜

 「Metive」は現在はオープンベータ版として無料で提供されており、誰でも気軽に試すことができます。

 自分の分身でもあるアバターに踊ってもらうというのは独特な楽しさがあります。AIの力を使うことで、その大変さを軽減できるのは、クリエイターの可能性を大きく広げる一歩になるでしょう。ぜひ、この楽しさを体験してください。