教えて!助けて!! Adobe先生

WordやPDFで作った資料をあとから魅力的に! ラクしてデザインを加えるなら Acrobat × Adobe Expressの連携技を

Adobe Expressの特長は「使いやすさ」、便利な機能をまるっと紹介

 本コーナーでは、アドビ製品に関するナレッジや活用法について、公式ブログ「Adobe Blog」の掲載内容をもとに、アドビの各スペシャリストより直伝していただきます。気になるトピックスはブログ本編もぜひチェックしてみてください。

 日々の業務で、企画書や稟議書、社内掲示物、プレゼン資料など、さまざまな文書を作成・共有する場面は実に多くあります。その多くの場合、こうした文書はまずWordで作成されますが、PDFに変換することでレイアウト崩れを防ぎつつ、資料の共有や配布がよりスムーズになります。さらに「Adobe Acrobat Pro」または「Adobe Acrobat Standard」を使えば、PDF上で直接編集を加えたり、コメントを追加したりできるため、チーム内でのレビュー作業も、より一層と効率的に進めることができます。

 しかし、内容が整理されていても、見た目の印象が弱いと、情報の伝わり方に大きな差が出てしまうこともあります。特に社内掲示物やクライアント向けの資料では、デザインの質が資料全体の印象に大きく左右します。

 例えばこんなニーズはありませんか。

  • 資料をもっと見やすく、わかりやすく整えたい
  • 社内掲示物をより目の引くデザインにしたい
  • クライアント向け資料のプレゼン効果を高めたい

 こうした要望に応えるのが、「Acrobat」と「Adobe Express」の連携機能です。デザインを追加するためにPowerPointやExcelで一から作り直す必要はなく、AcrobatでPDFに変換した文書にAdobe Express上でデザインを加えることができます。

AcrobatとAdobe Expressの連携でPDF文書にデザインを追加

 「PDFで作った資料に、あとからデザイン要素を加えたい」そんなときに便利なのが、AcrobatとAdobe Expressの連携機能です。

 この機能を活用すると、Wordなどで作成した文書をAcrobatでPDF化した後、Adobe Expressでデザイン編集を加えることができます。手間をかけずに、ビジュアル性の高い資料へ、Adobe Expressならではの使い勝手で、普段の業務資料が“伝わるデザイン”に生まれ変わります。さっそく使い方をご紹介します。

【手順1】PDFの作成

 まず、Wordで作成したサンプルの企画書をPDFに変換します。変換方法は以下のいずれかを選択できます。

  • Wordの[別名で保存]からPDFを選択
  • AcrobatでWordファイルを開き、PDFに変換

 どちらの方法でも、元のレイアウトを保ったままPDFを作成できます。

【手順2】Adobe Expressでのデザイン編集

 次に、Acrobat上で[デザインツールを使用]を選択します。「Adobe Expressでファイルをデザイン」というポップアップ画面が表示されたら[続行]をクリックします。

 ブラウザーが自動的に開きます。PDFファイルがAdobe Cloudサーバーにアップロードされると、Adobe Express上でPDFの編集が可能になります。

 AcrobatからワンクリックでAdobe Expressに移行することができました。Adobe Expressはブラウザーベースのデザインツールです。一度ファイルをアップロードすれば、直感的な操作でデザイン編集を進めることができます。

 このように、AcrobatとAdobe Expressを連携することで、文書編集からデザインまでをシームレスに進めることができます。なお、執筆現在、Acrobat × Adobe Express連携はエンタープライズライセンスではご利用頂けません。

デザイン初心者でも使いやすいAdobe Expressの便利な機能

 では、実際に資料をデザインする方法をご紹介します。Adobe Expressの最大の特徴は、その使いやすさです。デザインに不慣れな方でも、直感的に操作できる豊富な機能が揃っています。

フォントの変更

 Adobe Expressには豊富なフォントが用意されており、テキストを選択するだけで画面左のリストからフォントを変更できます。Wordにはないフォントでデザインすることも可能なため、文書の雰囲気をガラリと変えることができます。

色の変更

 Adobe Expressでは、ワンクリックでカラーテーマを適用できます。配色を選択すると背景やテキストなどページ全体に対するオススメのカラーテーマが出てくるので、お好みの組み合わせを選択できます。背景色や文字の色を単独で変えることも可能です。

イラストや図形の追加

 Adobe Expressには、豊富な画像素材やイラストが用意されています。検索機能を使ってお好みのイラストを見つけ、簡単に配置できます。ここでは、「課題」と検索し、問題点や課題抽出を想起させるイラストを配置しました。このように、簡単に資料にビジュアル的なアクセントを加えることができます。

AI画像生成と背景削除機能

 さらに、Adobe Expressではテキストから画像を生成できるAI機能も搭載されています。

 「特定のイメージに合う写真が見つからない」といった場合でも、AIが自動生成してくれるため、オリジナルのビジュアルを簡単に作成できます。ここでは、「飽和状態にあるアプリ市場に悩まされるユーザー」をイメージさせる写真素材が見つからなかったため、生成AIツールを使用し、PCやスマホに囲まれた女性の素材を生成しました。

 さらに、Adobe Expressには背景削除機能が搭載されており、簡単に人物写真の背景を取り除くことができます。切り取りきれず残ってしまった部分は、消しゴムツールを使って選択するときれいに消すことができます。

 なお、AIでの画像生成や背景削除機能は、Adobe Expressに限らず、Acrobat上の編集タブ内にある[画像を生成]や[背景を削除]からもアクセスできます。

【参考】Acrobat上で、AI画像生成や背景除去をする方法についてはこちら
https://blog.adobe.com/jp/publish/2024/11/29/dc-acrobat-adobe-express

ページサイズの変更

 作成した資料のページサイズも簡単に変更できます。社内資料用からSNSへの投稿用まで、用途に合わせて画像のサイズを調整できます。

文書の魅力を最大限に引き出す Acrobat × Adobe Express

 元データとなったWordの企画書と完成した資料を見比べてみましょう。白黒のシンプルな文書が、まったく印象の異なる魅力的な資料に仕上がりました。

 このように、文書にデザインを加えることで、情報の伝達力が大きく向上します。

 Adobe Expressは直感的な操作が特徴で、誰でも手軽に文書にデザイン性をプラスできます。WordファイルをAdobe Expressで扱うためには、一度PDFファイルに変換する必要がありますが、Acrobatを文書編集のプラットフォームとして活用することで、文章編集から社内回覧、さらにはデザイン編集までシームレスに作業を進めることができます。

 「もう少し見栄えのする資料を作りたい」と感じた際には、ぜひAcrobatとAdobe Expressの連携機能をお試しください。プロフェッショナルな仕上がりで、上司やクライアントへの訴求力が格段に向上することができるはずです。

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