Blender ウォッチング
「Blender」が使えなくてもゼロから3Dキャラクターを作れる「MakeHuman」
パラメーター操作だけで人体をモデリング
2022年1月21日 06:55
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回は人体をモデリングするツール「MakeHuman」をご紹介したいと思います。これはパラメーター設定だけで人体モデルが出来上がるという、ある意味夢のようなツールです。すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
このツールはスタンドアローンアプリなので、「Blender」とは関係ないのでは?と思われるかもしれませんが、元々「Blender」のアドオンの1つであり、中間ファイルを介さず直接やり取りできるなど、強力な連携が可能です。
「MakeHuman」のダウンロード
そういうことで、まずは導入してみましょう。まずは公式サイトのダウンロードページにアクセスします。
ここで「For windows, download it here:~」のように、対応するOSが文頭に書かれていますので、その後ろのリンクをクリックしてください。
なお、同ページ後ろの「Known Issues」にあるとおり、Windows 32ビット版には対応していませんので注意してください。
「MakeHuman」のインストール
本記事では都合により、Windows版のみ解説させていただきます。ご了承ください。
「makehuman-community-1.2.0-windows.zip」をどこかに展開後、中の「makehuman-community-1.2.0-windows.exe」をクリックしてインストーラーを起動させます。
後はインストーラーの指示に従えばインストールしてくれますが、このツールは人の体を生成する都合上、ヌードが表示されるため、同じPCを使用する他のユーザーに使用して欲しくない場合は、途中下図の場面で[Install just for me](自分用のみ)を選ぶと、「%USERPROFILE%AppData¥Local¥makehuman-community」にインストールし、他のユーザーからアクセスできないようになります。
終わればデスクトップ上にショートカットのアイコンが追加されているはずです。早速起動しましょう。
「MakeHuman」の起動と設定
まず、デフォルトではUIが英語なのでこれを変更しておきましょう。上部の[Setting]タブをクリックし、下図の囲み部分をクリックして日本語UIに変更します。
もし、未対応の3Dグラフィックチップが使用されている場合、3D画面になにも映らないことがあります。その時は同じく設定内の[起動]-[No shaders]と[No sample buffers]をONにしてみてください。
便利な設定
- 体重がデフォルトでは比率で表示されてイメージしづらいので、[体重]を[Real Weight]にしておくと実際の体重になってわかりやすくなります。
- 「Blender」ユーザーの場合、画面の移動や回転方法が「Blender」と違ってイライラするので、[設定]-[マウス]から設定しておくといいでしょう。
設定が終わったら反映のため、一度終了してから再起動します。
モデリングの流れ
では実際に人体を作成してみましょう。
人体のモデリング設定は主に[モデル]タブにて行います。その下の「サブタブ」を使用し、各部位の設定を行っていきます。
メインサブタブでの設定
[メイン]サブタブでは、[性別]や[年齢]、[筋肉]、[体重]、[身長]、[体型]の体格を表すパラメーター、そして[アフリカ人]・[アジア人]・[白人]の各人種の特徴の割合が、スライダーのドラッグで設定できます。
スクリーンの一番下には各パラメーターの値が表示されます。
パラメーターを変更するときは、以下の点に注意するとよいでしょう。
- 「性別」は体だけでなく、顔にも反映されます。
- 「体型」は洋梨型(A型)から逆三角形型(V型)の間で設定します。
- 人種のパラメーターのみ特殊で、3つのパラメーター全体で100%になるため、すべてを最高にすることはできません。
- スライダー上で右クリックすると、パラメーターがリセットされます。
- 画面上部のアイコンで「元に戻す」こともできます。
髪の毛や衣服の設定
髪の毛や衣服、眉などは[ジオメトリー]タブで設定します。
[モデル]タブと同じくサブタブで種類を選び、右側のパネルから「アセット」と呼ばれるパーツを選択して設定します。左側のパネルではタグによるフィルタリングが可能です。
初期状態ではバリエーションが足りないかもしれませんが、[Community]タブからユーザーメイドのアセットを追加することも可能です(次回解説予定)。
終わりに
次回はアセットのダウンロード方法と、「Blender」との連携についてご紹介します。ではまた。