Blender ウォッチング

「Blender」が使えなくてもゼロから3Dキャラクターを作れる「MakeHuman」

パラメーター操作だけで人体をモデリング

 本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。

 今回は人体をモデリングするツール「MakeHuman」をご紹介したいと思います。これはパラメーター設定だけで人体モデルが出来上がるという、ある意味夢のようなツールです。すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

 このツールはスタンドアローンアプリなので、「Blender」とは関係ないのでは?と思われるかもしれませんが、元々「Blender」のアドオンの1つであり、中間ファイルを介さず直接やり取りできるなど、強力な連携が可能です。

「MakeHuman」

「MakeHuman」のダウンロード

 そういうことで、まずは導入してみましょう。まずは公式サイトのダウンロードページにアクセスします。

 ここで「For windows, download it here:~」のように、対応するOSが文頭に書かれていますので、その後ろのリンクをクリックしてください。

「MakeHuman」v1.2.0のダウンロードページ

 なお、同ページ後ろの「Known Issues」にあるとおり、Windows 32ビット版には対応していませんので注意してください。

「MakeHuman」のインストール

 本記事では都合により、Windows版のみ解説させていただきます。ご了承ください。

 「makehuman-community-1.2.0-windows.zip」をどこかに展開後、中の「makehuman-community-1.2.0-windows.exe」をクリックしてインストーラーを起動させます。

 後はインストーラーの指示に従えばインストールしてくれますが、このツールは人の体を生成する都合上、ヌードが表示されるため、同じPCを使用する他のユーザーに使用して欲しくない場合は、途中下図の場面で[Install just for me](自分用のみ)を選ぶと、「%USERPROFILE%AppData¥Local¥makehuman-community」にインストールし、他のユーザーからアクセスできないようになります。

[Install for anyone using this computer](このコンピュータ全員が使用)と[Install just for me](自分用のみ)の選択

 終わればデスクトップ上にショートカットのアイコンが追加されているはずです。早速起動しましょう。

「MakeHuman」の起動と設定

 まず、デフォルトではUIが英語なのでこれを変更しておきましょう。上部の[Setting]タブをクリックし、下図の囲み部分をクリックして日本語UIに変更します。

設定画面

 もし、未対応の3Dグラフィックチップが使用されている場合、3D画面になにも映らないことがあります。その時は同じく設定内の[起動]-[No shaders]と[No sample buffers]をONにしてみてください。

何も映らない時は[No shaders]と[No sample buffers]をONにしてみる

便利な設定

  • 体重がデフォルトでは比率で表示されてイメージしづらいので、[体重]を[Real Weight]にしておくと実際の体重になってわかりやすくなります。
  • 「Blender」ユーザーの場合、画面の移動や回転方法が「Blender」と違ってイライラするので、[設定]-[マウス]から設定しておくといいでしょう。

 設定が終わったら反映のため、一度終了してから再起動します。

モデリングの流れ

 では実際に人体を作成してみましょう。

 人体のモデリング設定は主に[モデル]タブにて行います。その下の「サブタブ」を使用し、各部位の設定を行っていきます。

メインサブタブでの設定

 [メイン]サブタブでは、[性別]や[年齢]、[筋肉]、[体重]、[身長]、[体型]の体格を表すパラメーター、そして[アフリカ人]・[アジア人]・[白人]の各人種の特徴の割合が、スライダーのドラッグで設定できます。

 スクリーンの一番下には各パラメーターの値が表示されます。

[メイン]サブタブのパラメーター

 パラメーターを変更するときは、以下の点に注意するとよいでしょう。

  • 「性別」は体だけでなく、顔にも反映されます。
  • 「体型」は洋梨型(A型)から逆三角形型(V型)の間で設定します。
  • 人種のパラメーターのみ特殊で、3つのパラメーター全体で100%になるため、すべてを最高にすることはできません。
  • スライダー上で右クリックすると、パラメーターがリセットされます。
  • 画面上部のアイコンで「元に戻す」こともできます。

[性別][顔][胴体][Arms and legs]サブタブでの設定

 右側のカテゴリーから編集箇所を選び、左側のパネルで編集できます。

[顔]サブタブのパラメーター
  • 目や腕、足などは左右別々に設定可能で、左右揃えたい場合はウィンドウ最上部の中央にある富士山のようなアイコンで、左右の値のコピーや対称化が可能です。
  • 執筆時点ではマウスホイールによるパラメーターのパネルのスクロールができませんでした。
ウィンドウ最上部中央の対称化ツール

 ちなみにデフォルトで[性別]サブタブの[性器]カテゴリーを編集できないのは仕様です。

髪の毛や衣服の設定

 髪の毛や衣服、眉などは[ジオメトリー]タブで設定します。

 [モデル]タブと同じくサブタブで種類を選び、右側のパネルから「アセット」と呼ばれるパーツを選択して設定します。左側のパネルではタグによるフィルタリングが可能です。

 初期状態ではバリエーションが足りないかもしれませんが、[Community]タブからユーザーメイドのアセットを追加することも可能です(次回解説予定)。

[ジオメトリー]タブによる髪の毛や衣服の設定

終わりに

 次回はアセットのダウンロード方法と、「Blender」との連携についてご紹介します。ではまた。