Blender ウォッチング
お手軽人体モデリングツール「MakeHuman」をフル活用! アセットと「Blender」連携
豊富な衣装や髪型をダウンロードして「Blender」で自在にポージング
2022年1月28日 06:55
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回は人体をモデリングするツール「MakeHuman」について、「アセット」を使用する方法と、「Blender」との連携についてご紹介します。
アセットを使って3Dモデルのバリエーションを増やそう!
デフォルトの「MakeHuman」では、パーツなどのバリエーションに限りがありますが、「アセット」による補強が可能です。アセットを入手するには、一番右端の[Community]タブをクリックします。
Synchronize(同期)で使えるアセットのリストをダウンロード
アセットを入手するには、まずデータベースの同期が必要です。
右下にある[get screenshots]にチェックを入れ、その下の[Synchronize]ボタンをクリックすれば、データベースとスクリーンショットが同期されます。
あまり同期速度が出ないため、余裕のある時に行う方がいいでしょう。2回目以降は差分だけなので、比較的に短時間で済みます。
終わるとダイアログが表示されます。
同期できれば、次は左側の[Filter assets]から絞り込みの条件を設定し、左下の[Update list]ボタンをクリックすれば、アセットのリストが中央に現れます。
リストの各行をクリックすると、右上に簡単な説明と(利用可能なら)サムネイルが表示されます。[Show/Hide details]ボタンで詳細表示の切り替え、[Download screenshot]で(利用可能なら)大きなスクリーンショットのダウンロード、[Download]ボタンでそのアセットがダウンロードできます。なお、アセットの一括ダウンロードはできません。
なお、現時点ではスクリーンショットが用意されていなかったり、エラーで使用できない物があります。この辺は無償ベースで行っている限界だと割り切るしかありません。
欲しいアセットを探すにはタイプで絞り込み
[Asset type]で指定できるタイプは、ウィンドウ上部のタブで分けると次のように分類できます。
[モデル]タブに属する物
- target(ターゲット):スライダーで設定するパーツです。
- model:完成品の3Dモデル。[ファイル]タブ-[ロード]サブタブから使用します。大抵は他にもアセットが必要で、何が必要かが記載されています。
[ジオメトリ]タブに属する物
- clothes(衣服)
- hair(髪)
- theeth(歯)
- eyebrows(まゆ)
- eyelashes(まつげ)
- proxy(プロキシ。モデル構造用)
[マテリアル]タブに属する物
- skin(肌)
- material(マテリアル):目や衣服などの質感
これらには、特定の「model」用のデータが混じっていますので、[Asset subtype]で[for core asset]を選択してフィルタリングするといいでしょう。
[ポーズ/アニメーション]タブに属する物
- pose(ポーズ)
- rig(リグ):複数のボーンの動きを連動させるための仕組み
- expression(表情)
ポーズ適用時は編集中のモデルの高さと身長がイコールではなくなりますので注意が必要です。
Blenderとの連携で自由な編集とポージングが可能に
前回述べましたが、「MakeHuman」は「Blender」と強力な連携が可能です。ここでは「Windows 10」と「Blender 3.0」を例に解説しますが、「Blender 2.93」などでも利用可能です。
プラグインの導入
プラグインは「MakeHuman」のダウンロードファイル「makehuman-community-1.2.0-windows.zip」を展開した、「MakeHuman」のインストーラーと同じフォルダー内にある「addons_for_blender_28x」フォルダーにあります。
「Blender」内の[編集]-[プリファレンス...]メニューで[プリファレンス]画面を開き、[アドオン]タブから右上の[インストール...]をクリックし、上記のフォルダーから「makehuman-plugin-for-blender.zip」を指定します。
その後[プリファレンス]画面の[アドオン]タブで[MakeHuman: MH Community Plug-in]チェックボックスから有効化します。
UIの表示とインポート
インターフェイスは[N]キーで表示できる3Dビューポートの「サイドバー」の[MakeHuman]タブから使用します。
[Import human]ボタンをクリックすると、同じマシンのポートを使用し、MakeHumanと直接やり取りします。
デフォルトでは、同じマシン(「127.0.0.1」)の内部ポート「12345」を使用しますが、「Blender」内では[設定]タブの一番下にある[Connect to MH]パネル、「MakeHuman」内では[Socket]タブの[Server]パネル内の「Advanced Setings」からホストとポート番号を変更できます。
終わりに
「アセット」の使用と「Blender」との連携で、「MakeHuman」の可能性は大幅に広がります。他にも紹介しきれなかった機能がありますので、色々試してみてください。