Blender ウォッチング
半自動で3Dモデルに「汚し加工」を加えてリアリティを倍増する「Grungit」を使ってみる
摩耗部分の割合や摩耗のクオリティを設定可能!
2022年5月27日 11:07
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回は前回の記事でご紹介したアドオン「Grungit」使用時の設定などを解説していきます。
「Grungit」適用までの流れと設定
前回も解説しましたが、このアドオンでは最初に対象のオブジェクトの「マテリアル」に専用のノードやテクスチャを追加する「適用」の手続きが必要です。
インターフェイスの表示とファイルの保存
[3Dビューポート]の右端の図の[≺]の部分をクリックするか、[N]キーを押して表示した[サイドバー]の[Grungit]タブにインターフェイスが表示されます。「オブジェクトモード」でないと表示されないので注意してください。
次にあらかじめ適用したいオブジェクトのあるファイルを別名で保存しておきます。生成されるテクスチャファイルの上書きを防ぐため、専用のフォルダーに保存するのが望ましいです。
Grugitパネルのプロパティとオプション
[Apply Grugit]クリック前に、パネルからパラメーターとオプションが設定できます。
Resolution
作成する「Grunge」(摩耗)テクスチャ(後述)の解像度です。値が小さいと高速に動作しますので、最初は低解像度に設定して他のパラメーターを試してみるといいでしょう。
なお、「Scratch」(ひっかき傷)や「Crack」(ひび)にはこの解像度は影響しません。
Quality
上記テクスチャの品質です。高品質ではランダムな摩耗パターンを高解像度で作成し、低品質では低解像度のパターンを補間して作成します。そのため、同じ解像度でもパターン、テクスチャに差がでます。
Edge wear scale
メッシュ表面を「摩耗部分」が占める大まかな割合を決めます。大きければ剥がれている部分が大きくなります。後述のシェーダーノード側でも調整はできますが、この値を基本として調整するため、制限があります。
Quick mode (no edge wear)
端の摩耗の処理をしなくなり、速くなります。摩耗部分は次の「Overall amount」で量を設定できます。
適用時のオプション
[Apply Grugit]をクリックすると、適用時のオプションを選択可能な小さいダイアログが現れます。
Duplicate multi-user materials
他のオブジェクトと共有しているマテリアルの場合、マテリアルを複製し、対象のオブジェクトのみ「Grungit」を適用します。
Ignore unused materials
未使用のマテリアルを無視します。前述のようにデフォルトでは全マテリアルに「Grungit」のノードが追加されます。
(Re)create UV maps
「Grungit」という名前のUVマップを強制的に生成します。
Advanced mode
ノードに詳細な設定が可能なパラメーターが表示されるようになります。
デフォルトの汚し用のノードは基本的なパラメーターしか表示してくれませんので、汚しも調整したい場合はほぼ必須となります。
Use clearcoat (slightly slower)
車などの塗装に使用して光沢を出す「クリアコート」と「クリアコート法線」を使用するよう設定します。
終わりに
次回はノードのパラメーターとその使用について解説する予定です。
ではまた。