Blender ウォッチング
3Dキャラクターに色を塗るにはどうすればいい? まずは3DモデルをUV展開
2023年5月12日 00:01
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
これまでの連載で作成してきたこのウサギのキャラクターは、現時点では口と目以外は真っ白なままです。そういうわけで「テクスチャペイント」機能を使用し、色付けをしてみたいと思います。ただその前にモデルの「UV展開」を行います。
割と地味な作業なのですが、キャラクターを塗るときはもちろん、いくつかの機能では必要不可欠な大事な作業となります。
作業ファイルについて
前回終了時の作業ファイルが下のリンク先からダウンロードできます。ご利用ください。
※Webブラウザーによってダウンロードがブロックされる場合がありますが、右クリックメニューからファイルの保存を行い、警告が表示されても[継続]などの項目を選択して保存してください。
UV展開
UV展開とは、横を「U」、縦を「V」にとった平面上のどこに、モデルの各面の頂点を割り当てるのかを決めることです。これにより、対応する「UV座標」に画像を配置することで、各面にその画像を正確に貼り付けることができるようになります(UVテクスチャマッピング)。他にもUV座標を参照して動作する機能(ヘアーなど)も利用可能になります。
では早速上記のサンプルファイルを開き、UVを設定していきます。「Blender 3.5.1」を使用していますが、他のバージョンでもあまり変わらないと思います。
まずはウィンドウ上部のバーにある[UV編集]タブをクリックし、[UV編集]ワークスペースに切り替えます。
一度試しにUV展開してみましょう。
- 右側の[3Dビューポート]上にマウスカーソルを置き、[A]キー押すか、[選択]メニューから[すべて]を実行します。
- [U]キーを押すか、[UV]メニューから[展開]します。
すると、すべての面がバラバラになってしまいました。これでもいいような気がしますが、左の「画像エディター」などで編集したい場合に、各面のつながりがわからず、編集しづらいことがあります。よって別の方法を試します。
再び[U]キーを押すか、[UV]メニューから、今度は[スマートUV投影]を実行します。するとダイアログが表示されますので、ひとまず[OK]をクリックします。
今度は「スマート」の名前のとおり、各部分の形状がある程度反映された、賢い展開が行われました。中央部分が少しもったいない感じがしますが、とりあえずこれはこのままにしておきます。
アイランド間の隙間の調整
現在、「アイランド」(UV面のかたまり)の境界が他のアイランドとほとんど離れていません。この場合、境界部分の辺に継ぎ目が現れたり、色がにじみ出てくるなどの問題が発生する可能性があります。そのため、各アイランド間に少し余白を空けるよう設定します。
右側の「3Dビューポート」左下に、図のようなバーが表示されるはずなので、クリックします。
これは以前の記事でも解説しました、「最後の操作を調整」バーといい、文字通り最後の操作の実行時のパラメーターを調整し、再実行できる機能です。
この中の[アイランドの余白]の数字を右にドラッグしてみましょう。各アイランドのサイズが小さくなり、アイランド間の距離が広がったはずです。
無駄に余白が広すぎても意味がないので、「0.02」程度にドラッグして調整(または一度クリックして直接数値入力)してください。
UVの編集
比率や分割はこのままでもいいのですが、上下がさかさまになっていますので、全体的に回転してしまいましょう。動作に支障はないのですが、後でペイントする時に上下が揃っている方が作業しやすくなります。
3Dビューポート同様、UVエディターにも「移動」・「回転」・「スケール」ツールがあり、3Dビューポート同様の感覚で使用できますが、ここではUVエディター専用のギズモを採用している[トランスフォーム]ツールを使ってみます。
- 「UVエディター」の左側のツールバーから、[トランスフォーム]ツール(図のアイコン)をクリックします。
- トランスフォームギズモの「●」ハンドルを[Ctrl]キーを押しながらドラッグして「180度」回転します。
さらに顔部分のアイランドを90度回転して移動してみましょう。
- UVエディター左上の下図のアイコンをクリックして「アイランド選択モード」にします。
- 顔部分のUVアイランドを選択します。
- 上記同様に「●」ハンドルを[Ctrl]キーを押しながらドラッグし、「90度」回転します。
- 同じくギズモ中央の「×ハンドル」をドラッグして少し左に移動します。
- 左側のパーツのアイランドも同様にクリックして選択後、左下に移動します。
上に隙間が空いていますが、とりあえず今は空けておいてください。
終わったら、[ファイル]メニューの[名前を付けて保存]で保存しておきましょう。
終わりに
無事UVが展開できました。次回はいよいよモデルに色付けします。
ではまた。