Blender ウォッチング
「マテリアル」や「UVマップ」の意味を解説 ~用語を理解すれば3DCGは怖くない!
「シェーディング」「バンプ」「シーム」なども説明します
2022年7月22日 06:55
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回は「マテリアル」関連の用語を取り上げてみました。3Dゲームなどでおなじみの物もあるかもしれませんね。
シェーディング
陰影付けのこと。「シェーダー」と呼ばれる、様々な物質の見え方(光の反射・屈折・透過)をモデル化したプログラムにより、光源からの入射角度と面の向き(法線)、その材質の特性を計算し、物質の明るさを決める。
また、メッシュオブジェクトでのシェーディングには、面単位で行う「フラットシェーディング」と、面上の任意のポイントで行う「スムーズシェーディング」がある。これらは各面に設定可能だが、[自動スムーズ]オプション([オブジェクトデータ]-[ノーマル]内)により、自動的に両者を設定させることも可能。
「Blender」のマテリアル関連では辺のマークの1つ。
[シャープをマーク]を設定しておくと、上記の[自動スムーズ]オプションや[辺分離]モディファイアーなどで、その辺でスムージングが分断され、シャープになる
プリンシプルBSDF
Walt Disney Animation Studios社が開発・公開する「Disney Principled Shader」を元にしたシェーダーノード。元のシェーダーのコンセプトである、「アーチストが直感的に使えること」「パラメーターをできるだけ少なくする」「堅牢でそれらしく見える」といった特長を継承し、大半の質感をカバーできる非常に便利なノード。
ちなみに開発中はそのまま「disney shader」と呼ばれていた。
PBR
Physically Based Render(物理ベースレンダー)の略称。旧来のシェーディングモデルに比べ、測定値を元に構築された、より堅牢で光学的に正しいシェーディングモデルを目指した物。
こうしたアプローチは以前からあったが、特にハードウェアの進歩により、リアルタイムの分野で実現可能となってから一気に広まった物と思われる。
バンプ
法線を操作することで、実際には平らな面であっても、疑似的に凹凸が付いているように見せる技術。「Blender」の同名のノードでは、[高さ]パラメーターに画像(実際は明るさを変換した単一の値)を入力することで凹凸を付けることができる。
同様の機能に「ノーマルマップ」があり、こちらは表面の凹凸を(X, Y, Z)のベクトルとして、各成分を画像の「RGB」チャンネルに割り当てて画像テクスチャに記録し、表示時には再びベクトルに再変換して使用する。「バンプ」に比べて表現の幅は広くなるが、代わりにノーマルマップ用の画像テクスチャの作成があらかじめ必要になる欠点がある。
UVマップ
面に「画像」などを貼り付け(テクスチャマッピング)するために利用する座標系の1つ、「UV座標」を格納したデータのこと。通常「UV展開」により、形状から作成する。
UV展開
形状からUVマップを作成すること。「Blender」の追加メニューのメッシュオブジェクトなどではデフォルトでUVマップが設定されているが、自作モデルでは自分で再設定しないといけない。
「Blender」でのUV展開は「編集モード」で面を選択後に[UV]メニューから行う。[UV Editing]ワークスペースを利用すると作業しやすい。
UV座標
画像上の横と縦に、それぞれ値が「0から1」までの「U軸」と「V軸」を定義し、各面の四隅に画像上の位置(U, V)を格納することで、貼り付ける画像のどの位置を参照するかを指定する。
シーム
「Blender」の[UV展開]ツールなどで自動的にUVを展開する際、形状のどの部分で分割するかを明示的に指定する機能。例えば、パーツの境界に指定したり、連続して展開したい部分の反対側の辺に指定するなど。