Blender ウォッチング
3DCGの謎用語を解説! 「Fカーブ」「ストリップ」などアニメ関連はちんぷんかんぷん
「キーフレーム」「ドープシート」「シェイプキー」なども説明します
2022年8月5日 06:55
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回はアニメーション関連の用語について解説していきたいと思います。フレームなどはゲームでおなじみかもしれませんね。
フレーム
- ノードエディターでノードを中にいれて判りやすく表示する機能の1つ。
- 画面の枠のこと。(「選択を~イン」)
- 画面やレンダリングを更新する最小単位。要はアニメーションなどの1コマのこと。
Blenderでは[出力プロパティ](プロパティエディターの上から3番目のタブ)にて[フレームレート](1秒間に表示する回数)や、[フレーム範囲]が設定可能。なお、[3Dビューポート]左上に括弧付きで現在のフレーム番号が表示される。
キーフレーム
3DCGでは特定の時間での、例えば「位置」や「ポーズ」などが記録されたフレームのこと。3DCGアニメーションは、2つ以上のキーフレーム間の値を補間することで、アニメーションを行う。
Blenderでは[I]キー(Insert Keyframe)で記録できる。[3Dビューポート]ではオブジェクトやボーンなどのキーフレームを記録するが、[プロパティエディター]内も同様にキーフレームを記録でき(右側にドットが表示されている物のみ)、記録後はプロパティの背景色が変わり、右側のドットが◆に変わる。ちなみにこのドットを直接クリックしても、キーフレームが挿入できる。
また、[タイムライン]などのアニメーションエディターでも、キーフレームのあるフレームに◆が表示される。
タイムライン
「Blender」でアニメーションの時系列を表すエディターの1つ。「キーフレーム」と「マーカー」、フレーム数と現在のフレームを表わす[再生位置](Playhead)の縦線が表示される。[再生位置]の上側のドラッグでフレームを変更できる他、ヘッダーのインターフェイスからアニメーションの操作が可能。
デフォルトの[Layout]ワークスペースの下側に表示され、現在のオブジェクトのキーフレーム編集も可能。
Fカーブ
「Blender」で各キーフレーム間を補間するためのカーブのこと。例えば、フレーム1とフレーム10で違う「位置」をキーフレームに挿入した場合、フレーム2からフレーム9は2つの位置の間を滑らかに移動するよう自動的に計算される。
多くのエディターでカーブのタイプや、補間の方法が変更可能。
グラフエディター
Fカーブを編集するためのエディター。[タイムライン]や[ドープシート]などで編集できるのは、キーフレームのタイミングと補間方法のみだが、グラフエディターを使うことで、カーブを編集して例えば「ジャンプの高さ位置の変更」や「補間のいきおいの調整」などができる。他にも「Fカーブモディファイアー」を使用し、ループを作成したり、乱数により値を自動生成することも可能。
アクション
「Blender」のFカーブをオブジェクト単位でひとまとめにしたデータ形式。
1つのオブジェクトには1つのアクションしか同時に使用できない。もし複数のアクションを単一オブジェクトに使用したい場合は、[NLAエディター]を使用する。
ドープシート
指定のアクションまたは全アクションを閲覧・編集可能なエディター。◆型で表示されるキーフレームの移動やコピー、削除などを行うことができる。キーフレームの「値」の編集にはカーブエディターが必要になる。
タイムラインが高機能化したおかげで、見た目的にも大きな違いはないが、こちらは複数のモードがあり、「シェイプキー」などが編集可能。
シェイプキー
形状の各頂点の位置を記憶する機能。主にキャラクターの表情などに利用される。
「Basis」という名前の基本形状に対する相対的な位置が各シェイプキーに格納される。そして「シェイプキー値」に「0.0~1.0」までの値を指定することで、各シェイプキーがブレンドされ、最終的な変形になる。
表情のアニメーションを行うには、これらの「シェイプキー値」にキーフレームを挿入する。
NLAエディター
アクションを[ストリップ]としてひと固まりで利用し、自由な配置や再利用が可能なエディター。アクションのキーフレームも表示されるものの、ストリップ以外の編集はできない。
NLAは(Non Liner Animation: 非線形アニメーション)の意味で、ヘッダーからは[ノンリニアアニメーション]の名前で切り替えできる。
簡単なアニメーションでは、あまり恩恵はないため、初心者のうちは無理に使う必要はない。