いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】AIより速い魔法のショートカット[Ctrl]+[E]キーで単純作業を効率化!

面倒な操作は[Ctrl]+[E]キーで一気に解決できる!

まずは「フラッシュフィル」を試してみる価値あり!

 エクセルを使った作業は、関数を使った高度な処理だけではありません。実務では、単純な文字入力や、文字列の分解・結合といった既存のデータを加工する機会が多く、特に新入社員なら、そのような単純作業を指示されることもあるのではないでしょうか。

 しかし、手作業では時間がかかるうえ、ミスも起こりやすくて非効率です。エクセルが得意な先輩に「LEFT関数」「FIND関数」「MID関数」などの使い方を教わって、やっと作業を終えてみたら、かかった時間は手作業と変わりなかった……、なんてこともあるかもしれません。

例えば、[氏名]列から、姓と名に分けておいて、といった指示があったら面倒に感じる人も多いでしょう

 もちろん、関数を覚えることは今後の仕事で役立ちますし、本連載でもいろいろな関数の使い方を紹介しています。ただ、「今すぐまとめて処理したいだけ」という場面もありますよね。[Ctrl]+[E]キーを試してみてください。

 エクセルに標準で搭載されている「フラッシュフィル」と呼ばれる機能です。今回は、ショートカットキーだけで完結する例をいくつか紹介します。

文字列を分割・結合する

 冒頭の「氏名」を姓と名に分割する例です。まず、サンプルとして1行入力し、[Ctrl]+[E]キーを押します。入力済みのデータから法則性を見つけ出し、エクセルが自動的に処理してくれます。もし、反応しない場合は2行目も入力してから試してみましょう。

1行目の姓を入力して(①)、[Ctrl]+[E]キーを押します(②)
姓がまとめて取り出せました
同様に、1行目の名を入力して(③)、[Ctrl]+[E]キーを押します(④)
名をまとめて取り出せました

 姓と名の間にある半角・全角スペースの混在も無視して処理してくれるのがフラッシュフィルのメリットです。万能ではないので、一通り結果を確認することをおすすめしますが、複数の関数を組み合わせて記述するよりも圧倒的に簡単ですよね。

 別々のセルに入力されたデータを結合することも可能です。先ほど分割した姓と名を連結してみると、以下のようになります。この例のように、あるデータに含まれるスペースを削除する目的としても活用できます。

1行目に姓と名を連結した値を入力して(⑤)、[Ctrl]+[E]キーを押します(⑥)
姓と名が連結されました

メールアドレスの「@」より前を取り出す

 今度はアカウント名として、メールアドレスの「@」より前を取り出してみます。このような操作を関数で処理する場合は、FIND関数で「@」の位置を探して、そこから前を取り出す必要がありますが、フラッシュフィルならショートカットキーで一瞬です。「-」で区切られた製品番号から一部分を抽出する時などにも使えます。

1行目に「@」より前の例を入力して(⑦)、[Ctrl]+[E]キーを押します(⑧)
「@」より前の文字列を取り出せました

「yyyy/mm/dd」形式の日付を「dd日」の形式に整える

 「yyyy/mm/dd」形式の日付から「dd日」の形式に整えてみます。これはセルの表示形式で制御できる処理ですが、フラッシュフィルでも可能という例です。今回のサンプルでは、2行目まで入力してから[Ctrl]+[E]を押さないと、正しく処理できませんでした。

1行目に「5日」と入力して(⑨)、[Ctrl]+[E]キーを押したところ(⑩)……
すべて「5日」となってしまいました。単に「5日」と入力したいのだと、エクセルに判断されたためです
気を取り直して2行目に「31日」と入力して(⑪)、[Ctrl]+[E]キーを押します(⑫)
「dd日」の形式で取り出せました

文字列の途中だけを取り出す

 例えば「仙台営業所」なら「営業」、「福岡広報部」なら「広報」のように、文字列の一部を推測して取り出すような処理も可能です。完璧に処理できるわけではありませんが、手入力したり、コピペしたりするより省力化できるでしょう。

1行目に「営業」と入力して(⑬)、[Ctrl]+[E]キーを押します(⑭)
一見、うまく取り出せているように見えますが、「屋営」のように正しくない箇所もあります。見直しは必須ですが、手入力するよりは楽です

AIを使う前にも試しておきたい

 ここで紹介したような処理は、AIに任せればいいのかもしれませんが、ショートカットキーで済むなら、そのほうが簡単ですよね。単純作業に悩んだら、まずは[Ctrl]+[E]キーを試してみてください。