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「戦争」を民間人の目線で描くサバイバルゲーム「This War of Mine: Final Cut」

敵と戦えず、避難もできず……、「ただ生き延びるため」に人々が取るべき行動は?

「This War of Mine: Final Cut」のタイトル画面
「This War of Mine: Final Cut」のタイトル画面

 今回紹介するのは、戦時下の民間人を描いたサバイバルシミュレーション「This War of Mine: Final Cut」(ディスウォーオブマイン: ファイナルカット)。タイトルが英語的に妙なのだが、訳すと「私の戦争」あたりでいいだろうか。

 一般的な戦争ゲームというのは、兵士や司令官などの軍人が登場し、戦争に勝つために奮闘する。それに対し、本作では戦争に巻き込まれた民間人を描いている。兵士ではないので戦いには直接関与せず、砲撃の音が響く街でただ身を隠し、戦争が終わるまで耐え忍ぶ。

 ゲームをスタートすると、あちこちが崩れた建物の中に、3人の男が逃げ込んでいる様子が映し出された。食料も物資もなく、怪我をしている人もいる。このまま放っておけば、食べるものもなく、疲れて眠る場所もないまま、3人は死んでしまうだろう。

3人の男が崩れかけた建物に逃げ込む
3人の男が崩れかけた建物に逃げ込む

 プレイヤーはこの3人を操作し、食料や物資を集めて回る。彼らがシェルターと呼ぶ崩れかけの家の中には、いくらかの物資が残されているので、まずはそれらを集めて回る。ただし、がれきを片付けないと先に進めなかったり、鍵がかかっていて開かない扉もある。

家の中にある物資を集めて回る
家の中にある物資を集めて回る

 集めた物資は、何かを作る材料に使える。例えばコンロを作成すれば、料理ができるようになり、貴重な食材を適切に調理して食べられるようになる。ほかにもベッドを作れば横になって休めるようになるが、手持ちの物資は僅かで、何でも作り出せるわけではない。

集めた物資でコンロを作れば、料理ができるようになる
集めた物資でコンロを作れば、料理ができるようになる

 そうこうしているうちに時間が進み、20時を過ぎると夜になる。昼間は外に狙撃手がいて自由に出歩けないが、夜は比較的安全なので、外へ物資を探しに出られる。誰が外に出るかを決めると、近くに物資が残されているポイントが表示されるので、選んで移動。その先で物資を回収して戻ってくる。

 外から物資を集めてくると言っても、必ずしも欲しい物資が見つかるとは限らない。各ポイントには残されている物資の概要は書かれているが、がれきや施錠された扉で進めないこともある。また持ち帰れる物資の数はバックパックのサイズによって決まっており、1回で全て持ち帰れるわけではない。

夜は外出のチャンス。足りない物資を集めに出ていく
夜は外出のチャンス。足りない物資を集めに出ていく
シェルターの探索と同様に物資を拾い、逃げ帰る
シェルターの探索と同様に物資を拾い、逃げ帰る

 3人にはそれぞれに能力がある。マルコは物資の回収が早く、ブルノは料理人、パヴェルは足が速い、といった具合。それぞれの得意分野を生かして行動を選ぶと効率がよくなる。ただ1人を働かせすぎると疲労で病気になるので、適切に食事と休息を取らさねばならない。

 夜に寝て過ごせば体調や怪我はいくぶん回復するものの、家にも見張りをつけていないと、外からの襲撃者がやってきて物資を奪われることがある。夜は誰を休ませ、誰を働かせるかも考えねばならない。

料理人のブルノが料理を作る。ただし食材や水、燃料があればの話だが……
料理人のブルノが料理を作る。ただし食材や水、燃料があればの話だが……
夜は寝て体を休めたいが、見張りがいないと物資を奪われることもある
夜は寝て体を休めたいが、見張りがいないと物資を奪われることもある

 シェルターには時折、外から人がやってきて取引を持ちかけてくることもある。また夜に外で物資を探している時に、向かった建物内で人を見かけることがある。住人が逃げたか死んだかで誰もいない建物ならまだしも、他人がいる場所にある物資を持っていくのは、すなわち泥棒だ。何も盗まず帰るのか、見つからないよう盗むのか、力づくで奪うのかはプレイヤーの判断に委ねられる。

外から人がやってきた。必要なものがあれば物々交換で手に入れられる
外から人がやってきた。必要なものがあれば物々交換で手に入れられる
夜に物資を漁っていると、物資以外のものが見つかることも
夜に物資を漁っていると、物資以外のものが見つかることも

目的は「戦争が終わるまで生き延びること」

 本作の目的は、戦争が終わるまで生き延びること。いつ終わるのかはわからないが、それまで何とか物資を集め、必要なものを作って耐える。ただ、戦火の中で必死に生き延びようとしているのは、主人公たちだけではない。他の人々とどう接するべきか考えねばならないし、時には考える間もなく襲われることもある。

 戦争に勝つための努力ではなく、戦場から逃げる努力でもなく、ただそこで生きるための努力をする。本作は1992年から4年間に渡って続いたサラエボ包囲をモチーフにしたとされており、戦争を一般市民の目線で見ることで、戦争認識に対する気づきを与えてくれる作品になっている。

 本作には他にもさまざまなパターンのシナリオが用意されており、有料の追加コンテンツ「This War of Mine: All Expansions Pack」も提供されている(PC Game Passには非対応)。また戦争終了までの時間や難易度などを自由に設定して遊べるモードも用意されている。

Microsoft Storeで「This War of Mine: Final Cut」を購入する

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