絶対便利! 新定番の無料ツール

複数画像を一括編集できて動作も軽快!最強の画像編集アプリ「IrfanView」を使え!

「IrfanView」

 プロの職人が優れた道具を愛するように、私にも、記事や文書の執筆に欠かせない三種の神器(と個人的に呼んでいるアプリ)があります。1つ目が日本語入力ソフトの「ATOK」、2つ目がテキストエディターの「Vim」、そして3つ目が本記事で紹介する画像編集アプリ「IrfanView」です。

 「IrfanView」は、「Photoshop」や「GIMP」ほど多機能ではありませんが、トリミングや回転、リサイズ、ペイントなど必要十分な機能を備え、たいていのパソコンで軽快に動作します。また、対応ファイルが豊富なところも「IrfanView」の魅力。JPEG/GIF/BMP/TIFF/PNGはもちろん、WEBPやHEICといった最新の画像フォーマットにも対応しています。

 そして何よりすばらしいのが、スピーディに目的を達成するためのショートカットキーや機能が充実しているところです。本記事ではこの部分に注力し、「IrfanView」の魅力をお伝えします。

キー操作だけで必要な画像をチェックする

 カメラの写真をパソコンに取り込んだり、パソコン・スマートフォンでスクリーンショットを撮ったりして集めた画像は、必要か否かを選り分けないといけません。こんなときに便利なのが、「IrfanView」です。

 「IrfanView」で画像を開くと、[←]・[→]キーを押すことでフォルダー内の画像をすばやく表示します。表示された画像が大きすぎるときは、[F]キーを押してみましょう。画像を等倍表示とウィンドウ内の表示をかんたんに切り替えられます。ディスプレイ全体で大きく見たいときは、[Enter]キーを押せば全画面表示に。もとの表示に戻したいときは[Esc]キーを一回。もう一度[Esc]キーを押すと、「IrfanView」が終了します。

[F]キーを押すことで、画像を等倍表示とウィンドウ内の表示をかんたんに切り替えられる

 画像のリネームや削除も、「IrfanView」から直接実行できます。いらない画像は[Delete]キーでどんどん消して、使う画像は[F2]キーを押してリネームしましょう。いちいちエクスプローラーで操作することなく編集できるのが助かります。

ちょっとした画像編集も「IrfanView」におまかせ

 トリミングやリサイズ、画像の回転といったかんたんな画像編集も、「IrfanView」の得意とするところです。

 特に使用する機会が多いのがリサイズ。デジタルカメラで撮った写真は長辺5,000ピクセルを超えるものも少なくありませんが、大きすぎてウェブの記事には不適です。こんなときは、[Ctrl]キーを押しながら[R]キーを押してみましょう。リサイズを設定するダイアログボックスが表示されるので、[新規でサイズを指定]で[横サイズ]か[縦サイズ]に設定したいピクセル数を入力します。もう片方は画像のアスペクト比に応じて自動で設定されるので、[OK]をクリックするだけで完了です。

リサイズのダイアログボックスで、[新規でサイズを指定]を選択し、[横サイズ]か[縦サイズ]に設定したいピクセル数を入力する

 画像の不要な部分を取り除くトリミングの作業でも、「IrfanView」は便利です。ドラッグで切り取りたい範囲を選択したら、[Ctrl]+[Y]キーでトリミングを実行します。さらに、[Shift]キーを押しながらカーソルキーを押すことで選択範囲を1ピクセルずつ移動、[Alt]キーを押しながらカーソルキーを押すことで選択範囲を1ピクセルずつ拡大・縮小できます。アプリやサービスのマニュアル・プレゼンテーション資料に、画面のアイコンだけ載せたいといったときでも、1ピクセル単位の精密な操作ができる「IrfanView」ならなんら難しくありません。

細い黒線の選択範囲は、[Shift]キーを押しながらカーソルキー、もしくは[Alt]キーを押しながらカーソルキーで、1ピクセル単位の微調整が可能

 保存の設定が豊富なのもうれしいところ。画質や圧縮率を設定できるほか、JPEGの場合はファイルサイズを指定して保存することも可能です。ブログなどでは、1つあたりのファイルサイズの上限が指定されるケースも少なくありません。この方法を使えば、画質を保ちつつ、適切なファイルサイズで画像を保存できます。

JEPGの保存時は、[指定のサイズで保存]にチェックを付け、ファイルサイズを指定して保存することも可能

 「IrfanView」は、画像の色や明るさを補正したり、フィルターをかけたりする機能も用意されていますが、正直なところ使い勝手は今ひとつ。画像の見栄えをよくしたいなら、「GIMP」や「Photoshop」、Windows 10標準アプリ「フォト」などに任せたほうがよいでしょう。

バッチ機能で画像をまとめて処理

 10、20、30……と処理する画像の数が多くなると、「リサイズしてファイルサイズを指定して保存」といったかんたんな処理でも時間がかかります。このような、「複数の画像に同じ処理を施す」シチュエーションでは、複数の画像をまとめて処理する「一括処理」機能を活用しましょう。

 処理したい画像の1つを「IrfanView」で開いてから[B]キー(バッチのB)を押します。一括処理のダイアログボックスが表示されるので、[すべて追加]をクリックしましょう。同じフォルダー内の画像が処理対象になり、まとめて画面下のペインに登録されます。

一括処理のダイアログボックスを表示したら、[すべて追加]をクリックして画像を下のペインに登録する

 ファイル形式を変更するだけなら、[変換後のファイル形式]でJPGやPNGなどのファイル形式を選べばOK。[保存設定]をクリックすれば、通常のファイル保存時と同じように画質や保存容量も設定できます。リサイズやトリミングなどの編集も一緒に行うなら、[追加で作業を指定する]にチェックを付けて、[追加設定]をクリックしましょう。

[変換後のファイル形式]で画像のファイル形式を選択。[追加で作業を指定する]にチェックを付けると、リサイズやトリミングなどの編集機能も一括処理で行える

 下記の画面が表示されるので、編集の内容を設定します。リサイズなら、[サイズを変更]にチェックを付け、[長辺側のサイズを変更]に設定したいピクセル数を入力します。あとは[OK]をクリックし、一括処理のダイアログボックスで[実行]をクリックするだけです。

リサイズをしたいときは、[サイズ変更]にチェックを付けて、[長辺側のサイズを変更]に設定したいピクセル数を入力する

まとめ

 多彩なショートカットキーで軽快に画像を閲覧・編集でき、画像がたくさんあるときは一括処理での対応も可能な「IrfanView」。画像のちょっとした編集をすることが多い人なら、インストールしておいて絶対に損はありません。

 ちなみに、「IrfanView」はインストーラー版とMicrosoft Store版の2つを用意していますが(窓の杜でも両方のリンクを用意しています)、おすすめはMicrosoft Store版です。最初から動画やMP3などを再生可能にするプラグイン集と、メニューやダイアログを日本語化するモジュールが同梱されているので、インストール後すぐに使い始められます。