残業を減らす!Officeテクニック

Excelの条件付き書式を必要な時だけ有効化できるスイッチを作ってみた

条件付き書式をON/OFFできるスイッチを作ってみよう

 データを確認する際に、セルを塗りつぶすことがありますよね。目視ではチェック漏れの可能性があるため、「条件付き書式」を利用する人も多いでしょう。「○○円以上」や「○○と等しい」といった条件を満たすセルに、自動的に書式を設定する機能です。

 一度設定しておけば、データが変わっても条件を判定してくれる優れものですが、たまに不便に感じることもあります。例えば、以下の表では、条件付き書式を使って、売上が300,000円以上のレコードを強調しています。

条件付き書式を使って、売上が300,000円以上のレコードを強調している

 強調させたくない場合は条件付き書式をクリアし、条件を指定したい時に再び設定する必要があります。仕様なので仕方ないですが面倒ですよね。今回は、ON/OFFをコントロールできるスイッチを作ってみたいと思います。

条件付き書式を設定する

 条件付き書式について簡単におさらいしておきましょう。行単位で書式を設定したい場合は、設定したいセル範囲を選択して、条件となる数式を入力します。縦方向の表では、条件の比較式に利用するセルを「$F2」のように列を固定した複合参照で指定します。

条件付き書式を設定したいセル範囲を選択しておく。[ホーム]タブから[条件付き書式]-[新しいルール]の順にクリックする
[数式を使用して書式設定するセルを決定]を選択して数式を入力する。ここでは、売上300,000円以上としたいので「=$F2>=300000」と指定した。「$F2」と指定することで、F列の値を判定できる。任意の書式を設定して[OK]をクリックする
条件付き書式が設定された

オプションボタンを追加する

 条件付き書式を設定できたので、これをコントロールするスイッチを作っていきましょう。ここでは[オプションボタン]を使います。オプションボタンをクリックした時の値を表示するセルをリンクさせることがポイントです。

 なお、[開発]タブが表示されていない場合は[Excelのオプション]の[リボンのユーザー設定]から[開発]にチェックを付けてください。詳しい手順はこちらの記事で紹介しています。

[開発]タブにある[コントロールの挿入]-[オプションボタン]をクリックする
任意の場所をクリックすると、オプションボタンが挿入される。
任意の名前を入力する。操作中にセルなどをクリックすると、オプションボタンの選択が解除されてしまう。右クリックして[テキストの編集]を選択しよう
コントロールの書式設定を表示する。オプションボタンを右クリックして[コントロールの書式設定]を選択する
[コントロールの書式設定]ダイアログボックスが表示される。リンクするセルをクリックしてから、任意のセル(ここではセルH1)をクリックする。[OK]をクリックしてダイアログボックスを閉じておく
選択したセルに値(1)が表示される。このまま[Ctrl]+[C]/[V]でオプションボタンをコピーする
コピーしたオプションボタンの名前を変更しておく
任意のセルをクリックして、オプションボタンの選択を解除しておく。オプションボタンをクリックすると、リンクしたセル(ここではセルH1)の値が切り替わる

条件付き書式を追加する

 リンクしたセルを参照する数式を使って条件付き書式を設定します。OFFのオプションボタンが選択された時は、セルH1の値が「1」になるので、条件は「=$H$1=1」の数式で表せます。絶対参照で指定してください。

 条件付き書式を設定するセル範囲は同一なので、新規作成するより複製するのがスマートです。条件を満たした時に書式をクリアし、以降の条件付き書式が動作しないように設定しておきます。

[ホーム]タブの[条件付き書式]-[ルールの管理]をクリックする
[条件付き書式ルールの管理]ダイアログボックスが表示される。[書式ルールの表示]から[このワークシート]を選択する。条件を選択して[ルールの複製]をクリックする
条件が複製される。上の条件を選択して[ルールの編集]をクリックする。条件をダブルクリックしてもいい
数式を「=$H$1=1」と書き換える。オプションボタンがリンクするセルを参照するセルを参照しよう。書式をクリアしておくことを忘れずに。[OK]をクリックする
[条件付き書式ルールの管理]ダイアログボックスに戻る。[条件を満たす場合は停止]にチェックを付けて[OK]をクリックする
「OFF」のオプションボタンをクリックすると、条件付き書式がクリアされる
「ON」のオプションボタンをクリックすると、再び条件付き書式が有効になる

 実はオプションボタンを使わずに任意のセルに「1」「2」と入力して、そのセルを参照しても同じ処理は可能ですが、クリックで切り替えられると面白いですよね。

 さらにオプションボタンを追加すると、「3」「4」と値が切り替わります。例えば、商品名ごとに切り替わるスイッチを用意しておくのも便利かもしれません。ぜひ試してみてください。