どれ使う?プログラミング教育ツール
Scratchでプログラムしたmicro:bitが画面上のネコを動かす ~人気ツールの合わせ技!
2020年11月19日 06:55
子ども向けプログラミングツールの中で、「Scratch」(スクラッチ)は、利用者が多く無料で自由度の高いプログラミング環境です。ただし、Scratch単体では画面内で動く作品を作るのでリアルなものを動かすことができません。一方、フィジカルなプログラミングが楽しめる安価なツールとして有名なmicro:bitは、拡張しない限りは表現がLED表示なので表現力に若干物足りなさを感じるところ。そこで、このふたつの合わせ技で作品を作る方法をご紹介しましょう。「Scratch」の表現力と、micro:bitの豊富なセンサー類を生かして両者を連携した作品を作ることができます。なお、「Scratch」が現在の3.0に大きくアップグレードしたときに、micro:bitは「Scratch」のオフィシャルな拡張機能に追加されたので、今回使う「Scratch」はオフィシャルな「Scratch」です。
PCとmicro:bitの下準備
「Scratch」でmicro:bitを扱えるようにするには、ちょっと下準備が必要です。まず、プログラミングに使用するPCに、「Scratch Link」というアプリをインストールします。micro:bitのWebサイトトップページから移動するか、直接「Scratch Link」のダウンロードページにアクセスしてください。
「Scratch Link」のダウンロードページで、使用しているOSを選びアプリをダウンロードし、指示に従ってPCにインストールします。また、Microsoft ストアからもダウンロードできます。
「Scratch」でmicro:bitを使うときは、この「Scratch Link」を起動した状態にしておきます。起動状態はWindowsの場合、画面下のツールバーで確認できます。
次に、micro:bit本体に、必要なファイルをコピーします。「Scratch Link」のダウンロードページを下にスクロールすると“さあ、始めましょう”という記載があります。ここから指定のHEXファイルをダウンロードし、USBケーブルでPCにつないだmicro:bitにコピーします。micro:bitは有線でつなげば外部機器と同じように認識されます。
これで下準備は終了です。これ以降の工程は、USBケーブルなしでもBluetoothでmicro:bitと通信するので、PCの設定でBluetoothがONになっているかどうかを確認してください。
「Scratch」でmicro:bitに接続
ここまでできたら、「Scratch」を開きましょう。オフィシャルな「Scratch」を使いますので、https://scratch.mit.eduにアクセスし[作る]メニューから新しいプログラムを作成します。
まずは拡張機能を読み込みましょう。画面左下の[拡張機能を追加]ボタンをクリックして、micro:bitの拡張機能を選択します。選択すると、Bluetoothでmicro:bitを探しに行くので、認識させます。micro:bitはUSBケーブルを外すと電源が必要ですから、給電を忘れないでください。
これで、プログラミングをする環境が整いました。
「Scratch」でmicro:bitのプログラミング
さっそく動作確認をしてみましょう。micro:bitの拡張ブロックから、[ボタンAが押されたとき]ブロックを選び、[動き]カテゴリーの[10歩動かす]ブロックと組み合わせます。
この状態で、micro:bitの[A]ボタンを押してみてください。画面上のネコが少しずつ右方向に進むはずです。こんなふうに、「Scratch」からmicro:bitにプログラムをしてmicro:bitから「Scratch」上の作品をコントロールできるのが面白いポイントです。
まずは、基本のセッティングの紹介でしたが、次回は、micro:bitのセンサーを生かして作品を作ります。基本セッティングは、初めて利用するときだけは手間がかかるように感じるかもしれませんが、一度セッティングしてしまえばあとはあまり手間になりません。作品の幅が広がるのでぜひチャレンジしてみてください。
2020年度から小学校でプログラミング教育が実施されています。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。