やじうまの杜

どうして? 「メモ帳」アプリで“々”を検索すると“々”以外の文字までマッチする

「ワードパッド」や「Microsoft Office」アプリでも……OSによっても違うらしい

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「メモ帳」アプリで“々”を検索すると“々”以外の文字までマッチする

 長年Windowsを利用していながらまったく知らなかったのですが、「メモ帳」アプリで“ー”を検索すると“々”などの文字までマッチしてしまうのだそうです。

 このツイートツリーで言及されているブログ記事(avantの忘備録: メモ帳で「ー」を置換すると「々」も置換される)によると、以下の7文字は「メモ帳」「ワードパッド」で同じ文字と扱われてしまい、検索・置換に引っかかってしまうそうです。

  • ー(U+30FC):長音記号
  • ー(U+FF70):長音記号(半角)
  • 々(U+3005):ドウ、ノマ、同上記号
  • ゞ(U+309E):平仮名繰返し記号(濁点)
  • ゝ(U+309D):平仮名繰返し記号
  • ヾ(U+30FE):片仮名繰返し記号(濁点)
  • ヽ(U+30FD):片仮名繰返し記号

 編集部ではインストールメディアが手元になく検証できなかったのですが、Windows Vistaでは再現されなかったそうで……Windows 7以降の仕様のようです(ちなみに、本稿はすべてWindows 10で動作を確認しています)。

 「ワードパッド」の場合、[大文字と小文字を区別する]オプションをONにすると“々”にしかマッチしなくなります。しかし、「メモ帳」の挙動には変わりがありません。これは少々混乱しそうな仕様です。

「ワードパッド」アプリでも「メモ帳」アプリと同様、“々”を検索すると“々”以外の文字までマッチする。ただし、[大文字と小文字を区別する]オプションをONにするとヒットしない

 それでは、「ワードパッド」「メモ帳」以外のアプリではどうなのでしょうか。今回はストーリーをシンプルにするため、件の7文字を含むドキュメントで“々(どう)”を検索するとどうなるのか(←シャレじゃないですよ!)をテストしてみました。全部試すとなると、日が暮れそうですので……。

Webブラウザー

 Webブラウザーの場合、「Internet Explorer 11」は「メモ帳」と同じ動作をします。「Google Chrome」、「Firefox」、「Chromium」ベースの新しい「Microsoft Edge」は“々”にしかマッチしません。

「Internet Explorer 11」は「メモ帳」と同じ動作
「Firefox」などは“々”を検索しても“々”以外の文字にはマッチしない

Officeアプリ

 「Microsoft 365」についてくるOfficeアプリ(バージョン 2004)でも一通り“々”の検索を試してみました。

 まずは「Word」。“々”で検索すると、“々”、“ゞ”、“ゝ”、“ヾ”、“ヽ”の5文字が一致しました。しかし、これは“あいまい検索”機能がデフォルトで有効になっていることに起因する仕様。無効化すれば“々”にしか一致しなくなります。

“々”で検索すると、“々”、“ゞ”、“ゝ”、“ヾ”、“ヽ”の5文字が一致
“あいまい検索”機能がデフォルトで有効になっている
“あいまい検索”機能は繰り返し記号を同じ文字と扱う仕様なので、これは正しい動作

 続いて「Excel」で試してみたところ、7文字すべてがマッチしました。[大文字と小文字を区別する]オプションと[半角と全角を区別する]オプションの両方をONにしたときだけ、“々”1文字にマッチさせることができます。

「Excel」は7文字すべてがマッチ
[大文字と小文字を区別する]オプションと[半角と全角を区別する]オプションの両方をONにしたときだけ、“々”1文字にマッチさせることができる

 「PowerPoint」では7文字すべてがマッチ。[大文字と小文字を区別する]オプションや[半角と全角を区別する]オプションをON/OFFしてみましたが、挙動は変わりませんでした。

 “々”を検索することなどほとんどないと思いますが、思わぬトラブルに遭わないとも限らないので、OSやアプリ、バージョンによって検索・置換の挙動が異なることはよいことのように思えません。せめて「Word」のようにお節介な機能は手動で無効化できるようにしてほしいものですね。

おまけ

 “々”は前と同じ文字・文字の繰り返しを意味する記号で、「Microsoft IME」の場合、“どう”“おなじ”“くりかえし”といった入力を変換することで得られます。

「Microsoft IME」の場合、“どう”“おなじ”“くりかえし”といった入力を変換することで“々”が得られる

 また、最近のWindows 10ならば“絵文字パッド”を使う方法もお勧めです。[Windows]+[.]キーを押して“絵文字パッド”にアクセスし、パネル上部にある3つの記号のうち、右端の[Ω]を選んで[記号]タブへ切り替えます。すると、画面右下にズバリ[々]というアイコンがあるはず。これをクリックすると、今回登場した繰り返し記号たちへアクセスできます。

Windows 10ならば“絵文字パッド”を使う方法もお勧め